
2025年の菊花賞馬エネルジコの母エノラは、GⅠディアナ賞(ドイツオークス)勝ち馬。リバティアイランドの祖母もGⅠ2勝の名牝だ。GⅠ実績を持って日本に輸入された繁殖牝馬は、近年の日本競馬の躍進を支える存在となっている。今回は「未来のGⅠ馬の母」とも言える、海外から日本に渡った名牝たちを紹介する。[2/5ページ]
②プリンセスゾーイ(Princess Zoe)
主な勝ち鞍:カドラン賞(GⅠ)
2頭目は4000mの名物レース、カドラン賞の覇者を紹介。
海外産の繁殖牝馬の中でも特に注目される出身国と言えばドイツではないだろうか。上述のエネルジコの母エノラや、サリオスの母サロミナが代表的なドイツ産繁殖牝馬だろう。
彼女たちの特徴といえば、「サロミナ→サリオス、サフィラ…」のように、血統表のボトムライン(母、母母、3代母…のラインのこと)の名前のアルファベット1文字目が同じ文字で始まることだ。
プリンセスゾーイのボトムラインも、Palace Princess、Pasca…と続いており、この馬もまたドイツ産馬であることが分かる。
しかしながら、エノラやサロミナがドイツの牝馬クラシック路線のディアヌ賞を制するなど、早期から活躍した馬であるのに対し、プリンセスゾーイは5歳まで重賞出走すら経験していない「遅咲きのプリンセス」であった。
5歳に入り、ドイツからアイルランドに移籍したプリンセスゾーイは破竹の4連勝を記録。そのまま重賞初挑戦として挑んだ凱旋門賞ウィークエンドを構成する名物長距離GⅠカドラン賞を制した。
その後は欧州の超距離重賞戦線を渡り歩く日々。サウジアラビアへの遠征では、日本のステイフーリッシュによる海外重賞制覇も見届けた。
7歳時にはアイルランドの怪物ステイヤー・キプリオスに4レース連続で対決する不運にも見舞われるものの、3200mの重賞サガロSを制したほか、安定して入着を繰り返し実力を見せた。
キャリア終盤には障害転向などで注目を集めていたものの、2023年3月にT・マリンズ調教師が繁殖牝馬として日本行きすることを自身のSNSで明言。繋養先は不明ながら、すでに日本に輸入され、繁殖牝馬として活動している。


