最強の三冠牝馬はリバティアイランドorアーモンドアイか。それとも……? 着差やタイムから比較する
2023年、リバティアイランドが新たに牝馬三冠を達成した。今年の牝馬クラシック路線では、桜花賞をステレンボッシュ、オークスをチェルヴィニアが制し、三冠達成の可能性のある馬現れなかったものの、過去に三冠を成し遂げた牝馬はどれも競馬史に名を刻む名牝ばかりだ。今回は、わずか7頭が達成したこの偉業に焦点を当て、各馬をさまざまな視点で比較し、その真価に迫っていく。
牝馬三冠を達成した7頭の名馬たち
牝馬3冠の対象レースは現在、4月に阪神芝1600mで行われる桜花賞、5月に東京芝2400mで行われる優駿牝馬(オークス)、10月に京都芝2000mで行われる秋華賞(1995年まではエリザベス女王杯)の3つである。
この3つの3歳牝馬限定のレースを全て勝った馬を3冠牝馬と呼び、達成したのはリバティアイランドで史上7頭目だ。牝馬3冠が整備されたのが1970年のことなので、54年間で7頭のみということになる。
このことから、3冠牝馬=名馬であることは間違いない。しかし、7頭いたらその中で順位をつけたがるのが人間の性というもの。
もちろん、古参ファンと新規ファンがぶつかり合う歴代最強馬論争と同じように、同じ時代を生きていた馬でない以上、結論が出ないのは分かっている(ちなみに私は、ジェンティルドンナ一択)。
それでもtop of the topを決めてみたい。異論も数多く出るだろうが、ひとつの見方として楽しんでいただければと思う。
ではまず最初に、こちらが歴代の3冠牝馬7頭である。
1986年 メジロラモーヌ
2003年 スティルインラブ
2010年 アパパネ
2012年 ジェンティルドンナ
2018年 アーモンドアイ
2020年 デアリングタクト
2023年 リバティアイランド
この中で、直接対決をしたことあるのは、アーモンドアイとデアリングタクトのみ。それが行われたのが、2020年のジャパンカップ。
史上初となる3冠牝馬の対決に、この年の牡馬3冠馬コントレイルも加えた豪華メンバーによる競演は、先輩の意地を見せたアーモンドアイが勝利。デアリングタクトはコントレイルに次ぐ3着となった。
ただこの結果から、アーモンドアイ>デアリングタクトとするつもりはない。5歳のアーモンドアイと3歳のデアリングタクトを比べても公平とは言えないし、なによりこの2頭以外は、この方法で比較することができないからである。