④2012年(勝ち馬カレンブラックヒル)
1998年にエルコンドルパサーとグラスワンダーが挑戦するも達成できなかった、無敗の毎日王冠制覇。2012年にそれを達成した馬がいた。それがカレンブラックヒルである。
デビューは3歳になってからと遅めではあったが、軽快な先行力を武器にデビューから連勝を続ける。3戦目のニュージーランドトロフィーで重賞初制覇を果たすと、4戦目のNHKマイルカップでG1初制覇。トントン拍子で出世街道を進んだ。
そんな馬が秋の始動戦に選んだのが、古馬との初対戦となる毎日王冠であった。まだ底を見せていない未知の魅力が評価され、古馬相手でも単勝1番人気に推されていた。
対する古馬勢の筆頭格はダービー馬エイシンフラッシュ。ダービーでの勝利だけでなく、天皇賞(春)と有馬記念で2着、皐月賞と宝塚記念で3着となるなど実績は断然で、単勝2番人気に推されていた。
レースはシルポートの逃げで、2番手にグランプリボスがつける。この2頭で後続を離し、カレンブラックヒルは離れた3番手を追走。エイシンフラッシュは中団からレースを進めた。直線に入っても、前は2頭での争い。その中から残り300mでグランプリボスが抜け出すも、後続が一気に差を詰める。残り100mで前を捕えたカレンブラックヒルが、外を猛追してきた同じ3歳馬のジャスタウェイをクビ差振り切り勝利。
エルコンドルパサーやグラスワンダーでも成し遂げられなかった無敗での毎日王冠制覇を、デビューから5連勝で達成してみせた。2頭出走していた3歳馬でのワンツー決着となり、エイシンフラッシュは直線伸びを欠いて9着に敗れた。
カレンブラックヒルはその後、天皇賞(秋)でエイシンフラッシュにリベンジを果たされ、デビューからの連勝が5でストップすると、ダート挑戦なども実らず、極度のスランプに陥る。それでも引退までに重賞タイトルをさらに2つ手に入れ、引退後は種牡馬入りも果たした。