③2009年(勝ち馬カンパニー)
スーパーホーネットが勝利した翌年となる、2009年の毎日王冠。この年の毎日王冠も、前年と同じくウオッカ一色。
前年スーパーホーネットに敗れてはいたが、その後の天皇賞(秋)で歴史に残る激戦を制し、続くJCでも3着。ドバイ遠征では結果が出なかったが、前年と同じローテーションでヴィクトリアマイルと安田記念を連勝。天皇賞(秋)連覇に向けて、前年同様に毎日王冠からの始動となった。
前年1.5倍だった単勝オッズがこの年は1.3倍と、前年以上に大きな支持を集めていた。さらにこの年は11頭立てにも関わらず、前年同様に他馬のオッズは軒並み単勝10倍以上の数字が並んでいた。
レースは、好スタートを決めたウオッカが前年同様に逃げの手に出る。大外枠からナムラクレセントが2番手につけ、ウオッカをぴったりとマークする形となった。前半800mの通過は48秒0という、前年以上のスローペースに持ち込んだウオッカと鞍上の武豊騎手。隊列に大きな変化のないまま4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入ると、前年のリプレイを見るかのようにウオッカの手ごたえは楽なまま、後続をジリジリと離していく。しかし2番手以降の馬たちがウオッカの外へと持ち出す中、その空いたインに潜り込んだのがカンパニー。道中は中団にいたにも関わらず、残り400mを切ったあたりでスルスルと2番手まで浮上。前を行くウオッカとの差は2馬身からなかなか詰まらなかったが、残り100mでウオッカの脚いろが若干鈍る。そこをカンパニーは見逃さず、一気に交わして最後は1馬身の差をつけて勝利した。2着のウオッカは逃げ切ることができず、2年連続の2着。大外を追い込んだハイアーゲームがさらに2馬身差の3着となった。
勝ったカンパニーは、実に7個目の重賞タイトルを獲得。8歳シーズンとなっても衰えは全くなく、逆に一番の充実期を迎えているかのようだった。
実際にカンパニーはその後、天皇賞(秋)でウオッカの連覇を阻んで悲願のG1初制覇。8歳馬のG1勝利はJRA史上初の快挙であった。さらに続く、引退レースとなったマイルCSも快勝して、G1を連勝。有終の美を飾り、惜しまれながらも現役を引退した。