HOME » コラム » 5選 » 豪華メンバーが集うスーパーGⅡ!スーパーホーネットやカンパニーなど【毎日王冠名勝負5選】

豪華メンバーが集うスーパーGⅡ!スーパーホーネットやカンパニーなど【毎日王冠名勝負5選】

text by 中西友馬

毎日王冠は、天皇賞(秋)の前哨戦として一流馬が集うG2レースだ。近年はG1に直行する馬も増えたが、それでも豪華なメンバーが揃う重要な一戦だ。エルコンドルパサーやサイレンススズカなど、歴史に残る名馬たちが激闘を繰り広げてきた。この記事では、毎日王冠の歴史に刻まれた5つの名レースをピックアップし、その魅力を紹介する。

Silence Suzuka
第49回毎日王冠を制したサイレンススズカ

①1998年(勝ち馬サイレンススズカ)

 最初に取り上げるのは、1998年の毎日王冠だ。この年は、歴史的名馬が3頭も毎日王冠に出走していた。

 1頭目はエルコンドルパサー。デビューからダートで3連勝を飾ったのち、芝に矛先を向けてからも連勝を伸ばし、前走のNHKマイルカップではG1制覇。5戦5勝の4歳(現3歳)馬であった。

 2頭目はグラスワンダー。こちらもデビューから連勝街道を進み、4戦4勝でG1朝日杯3歳ステークスを制覇。しかしその後骨折があり、10ヶ月ぶりの実戦であった。

 そしてこの無敗4歳馬2頭を迎え撃つ古馬代表が、今回の主役サイレンススズカである。他馬の追随を許さない逃げを武器に、5歳にして覚醒。5連勝で宝塚記念を制し、秋の始動戦として毎日王冠に出走してきていた。

 戦前から3強対決に注目の集まったこのレース。そのことは、4番人気の馬の単勝が32.9倍という驚異的なオッズからも、容易に想像がつく。

 レースは大方の予想通りサイレンススズカの逃げ。グラスワンダーとエルコンドルパサーは好位を追走する。4角手前で先に動いたのはグラスワンダー。逃げるサイレンススズカとの差を詰めにかかり、そのまま4角を回り直線へ。

 しかし直線に入ると再び差は広がり、逆に捕まえに行ったグラスワンダーの脚が上がる。その外から伸びてきたのがエルコンドルパサー。エルコンドルパサーと後続との差はグングン広がるが、前との差は詰まらず、サイレンススズカが悠々と逃げ切り勝利を収めた。エルコンドルパサーは2馬身半差の2着。グラスワンダーは久々のぶん末を欠き、5着となった。

 サイレンススズカはその後、次走の天皇賞(秋)で悲運の最期を迎えてしまう。エルコンドルパサーは次走のジャパンカップで古馬勢や海外勢を破って勝利。翌年は欧州遠征を敢行し、凱旋門賞2着と結果を残した。グラスワンダーは翌年の毎日王冠で屈辱を晴らし、さらにグランプリ3連覇を達成することとなる。

 そんなスーパースターが一堂に会したこの年の毎日王冠は、まさに歴史に残るレースとして、今でも語り継がれている。

1 2 3 4 5 6