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2025年12月20日2歳新馬(阪神)/1着サトノセプター
2025年12月20日2歳新馬(阪神)/1着サトノセプター

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は12月20、21日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。[3/3ページ]

12月20、21日の2歳戦レビュー

◆サトノセプター

12月20日 未勝利 阪神芝1600m 1着
評価:★★★★
騎手:岩田望来
厩舎:栗東・上村洋行
父:Kingman
母:イカット
母の父:ディープインパクト

《短評》
 デビュー戦はいい脚で伸びるもゴール前詰まって不完全燃焼な5着。改めての2戦目となった。出遅れから巻き返し、道中は中団馬群の内目を追走。直線で外に持ち出し、ジワジワと脚を使ってリアライズルミナスとの追い比べに競り勝った。

 前記の通りこの日の阪神芝は全体的に時計が速かったが、勝ち時計1:33.6、後半5F57.9秒はそれでも優秀な部類。アランカールが勝った野路菊S(1:33.5、後半5F57.7秒)と近い記録だ。

 そもそもスムーズなら新馬で勝ち上がっていたはずの馬で、ここは順当勝ち。クラスが上がっても通用する。

◆ロデオドライブ

12月21日 新馬 中山芝1600m 1着
評価:★★★
騎手:北村宏司
厩舎:美浦・辻哲英
父:サートゥルナーリア
母:ビバリーヒルズ
母の父:スニッツェル

《短評》
 大外枠からスタートを決めて先行。初角では内の馬が膨れてきた影響で外に弾かれる不利もあった。それでも3~4番手から4角で早めに動き、直線に向いた時点で逃げ馬に並びかける形。最後は2着馬に迫られながらも3/4馬身差のリードを保ってゴールした。

 見た目上はあまり派手さもなかったが、中山マイルの大外枠を克服し、ラストは11.9-11.6の加速ラップ。重馬場で1:35.1というタイムも悪くない。デビュー戦としては上々のパフォーマンスだった。

◆ワイドシュテルケ

12月21日 新馬 阪神芝1200m 1着
評価:★★★
騎手:藤岡佑介
厩舎:栗東・藤岡健一
父:タワーオブロンドン
母:エルメスショコラ
母の父:アドマイヤムーン

《短評》
 好スタートから気合いを付けてハナへ。そのまま直線に向かうと、ほぼ持ったままで後続を突き放していく。めいっぱい追われることもなく、1.1/2馬身差で鮮やかに逃げ切った。

 前後半36.1-34.4のスロー逃げで展開がラクだった面もあるが、余力を十二分に残して全く底を見せない勝ち方ができた。あとは良馬場でどんな走りができるか。次走が試金石となりそうだ。

【了】

(文●鈴木ユウヤ)

<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba)
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xなどで発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。

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