
中央競馬では有馬記念が年末の風物詩として親しまれているが、地方競馬では東京大賞典が同じ位置づけにある。日本競馬におけるその年最後のG1競走として、多くのファンが注目する一戦だ。だが、有馬記念に比べると東京大賞典は堅い決着になりやすい。そこで今回は、同競走での3連単低配当をランキング形式で振り返る。[3/5ページ]
【第3位】2018年 1400円
■1着オメガパフューム→2着ゴールドドリーム→3着ケイティブレイブ
コパノリッキーやホッコータルマエといった主役が現役を引退し、次の世代の台頭が待ち望まれていた2010年代後半のダート界。
この年の1,2番人気はダートグレード競走で安定した成績を残すゴールドドリームと、JBCクラシックと川崎記念を勝利したケイティブレイブの2頭。どちらも単勝オッズは2倍台で、3倍台の3番人気に3歳馬のオメガパフュームが続いた。
3連単はこの3頭の組み合わせが上位3つの人気となり、4番人気のサウンドトゥルーが18.6倍と大きく離れたオッズ構成だったことから、上位人気3頭によるワン、ツー、スリーとなるのでは、というのが大勢の見方だった。
レースは道営代表として参戦したスーパーステションが引っ張り、人気3頭はケイティブレイブが先行した以外はいずれも中団後方から。3コーナーあたりで先団、中団ともにピッチが上がり、直線入り口では一瞬、8頭が一団に。
一旦は外からケイティブレイブが抜け出し、内のエイコーンやスーパーステションを競り落としたが、馬群を捌いたゴールドドリーム、オメガパフュームが併せ馬でケイティブレイブのさらに外から迫ると、最後はこの2頭の競り合いに。
直線で一瞬前が塞がったゴールドドリームは、その分だけ遅れ、逆に彼の進路を締めながら脚を伸ばしたオメガパフュームが突き抜けて勝利した。夏のジャパンダートクラシックで2着に敗れた悔しさを晴らすG1初勝利を飾った。
3連単の配当は1400円と、上位人気3頭での決着の中では最も跳ねる配当となった。そしてこの勝利を皮切りに、オメガパフュームは3年後の東京大賞典まで、前人未到の4連覇を達成することになる。
オメガパフュームが勝利した東京大賞典で、3連単の配当が低かったのはこの年のみ。残りの3年では必ず人気薄の馬が馬券圏内に入ったため、3連単は二度万馬券となっている。
年を重ね、連覇を達成するごとに自身の単勝倍率は1倍台まで到達する中、逆に3連単の配当は上がっていくという、なんとも不思議な記録の持ち主だ。



