
今回は、1990年以降の過去35回の有馬記念において、単勝馬券に投じられた票数をランキング化。ファンの思いを託された上位5頭を紹介していきたい。[5/5ページ]
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第1位 1994年ナリタブライアン
1975万0578票=19億7505万7800円
いわゆる第2次競馬ブームの最中に登場したスターホースが堂々の1位に輝いた。1994年の有馬記念で2000万票近くの単勝馬券を投じられたナリタブライアンである。
ナリタブライアンはデビューから勝ち負けを繰り返しながら成長し、圧巻の強さで同年のクラシック三冠を達成。菊花賞で2着馬につけた7馬身差は今もレース史上最大着差となっている。
そんなナリタブライアンが初めて古馬と相まみえたのが暮れの有馬記念だ。単勝オッズはなんと1.2倍という一本被りの1番人気だった。
打倒ナリタブライアンの最右翼はその年の天皇賞・秋を制したネーハイシーザー。充実の4歳秋を迎え、2番人気に支持されたが、単勝オッズは12.3倍。つまり、単勝オッズ1桁台はナリタブライアンだけという1強ムードだった。
マチカネタンホイザが出走を取り消し、13頭立てで行われた一戦。ナリタブライアンは絶好のスタートを切ると、積極策を取る構えを見せた。
12頭を引き連れてハナを切ったのはツインターボ。“大逃げ”の代名詞を持つ稀代のエンターテイナーが序盤から飛ばしに飛ばして、16万人の大観衆を大いに沸かせた。
ナリタブライアンは南井克己騎手(当時)を背に5番手集団の外で1周目のホームストレッチへ。向正面に差し掛かったころにはツインターボと後続の差は30馬身近くに広がっていたが、どの馬も無理に追いかけることはしなかった。
読み通り、3コーナーあたりでツインターボの手応えがなくなると一気に失速。3~4コーナーの中間地点で早くも後続馬群に飲み込まれてしまった。
4コーナー手前で先頭に並んでいったのはナリタブライアンのほか、ヒシアマゾン、ネーハイシーザー、サクラチトセオーの計4頭。
序盤は後方で脚を溜めていたヒシアマゾンが大外から一気に先頭をうかがう勢いだったが、脚いろで勝ったのはナリタブライアンの方だった。
最後の直線で馬場の三分どころを選択した南井騎手の右ムチに応えたナリタブライアンは、一度は詰め寄られたヒシアマゾンとの差を3馬身に広げてゴール。シンボリルドルフに続く、史上2頭目の3歳4冠に輝いた。
残念ながらナリタブライアンにとってこのレースが最後のG1勝利となった。もし翌年春の故障がなければ、今も史上最強馬として語り継がれていたに違いない。
それでも“3歳時”という条件つきなら、この年のナリタブライアンが残したインパクトが歴代1位ではないだろうか。1975万0578票がその証左である。
【了】
【著者プロフィール:中川大河】
競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。「日刊SPA!」「SPAIA競馬」などで記事を執筆中。
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