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福永祐一騎手
福永祐一騎手

中央競馬のG1競走は、2025年時点で年間わずか24レースしか行われない。その希少さゆえにホースマンなら誰もが憧れる舞台となる。本記事では、1984年のグレード制導入以降に、JRAのG1タイトルを手にした騎手について、勝利数トップ10をランキング形式で振り返る。[7/10ページ]

第4位 福永祐一(33勝)

 伝説の天才ジョッキー福永洋一氏が父で、G1通算33勝を挙げた福永祐一元騎手(現・調教師)が第4位にランクインした。

 華々しい活躍の最中に落馬で騎手生命を絶たれた父を持つがゆえ、周囲の猛反対を押し切って騎手を志した福永祐一。

 同期には和田竜二や、古川吉洋、柴田大知ら名のある騎手がズラリと並ぶ。競馬学校の「花の12期生」として1996年3月に騎手デビューを果たした。

 初騎乗で初勝利の離れ業を演じた福永はこの年、年間53勝を挙げてJRA最多勝利新人騎手に輝いた。

 翌年には評価が高かった超良血馬キングヘイローの鞍上を務め、東京スポーツ杯3歳S(現・東京スポーツ杯2歳S)で重賞初勝利を収める。

 クラシック有力候補となった同馬とのコンビであったが、日本ダービーでは2番人気に支持されたプレッシャーからか、これまで差し競馬で本領発揮していたキングヘイローと折り合いがつかず、これまで経験のない「逃げ」の戦法を取ることになった。

 結果14着に沈み、福永にとっては競馬の厳しさを痛感したことだろう。結局1998年のクラシックは人馬ともに無冠に終わった。

 だが名誉挽回となるG1初制覇の瞬間はすぐに訪れた。翌99年の桜花賞、4番人気のプリモディーネとコンビを組み、後方からレースを進め、直線でライバルたちを交わし去る鮮やかな差し切り勝ちを飾った。

 その後、2005年にはフェブラリーS(メイショウボーラー)、ラインクラフトで桜花賞&NHKマイルC、シーザリオでオークス、フサイチリシャールで朝日杯FSを制し、年間G1・5勝を飾るなど順調にキャリアを積み上げた。

 2013年にはジャスタウェイに騎乗し勝利した天皇賞(秋)や、エピファネイアでの菊花賞を制した。そして2018年、ワグネリアンに騎乗し、ついに日本ダービー初制覇を遂げる。

 キングヘイローでの“苦い記憶”から実に20年の歳月が経っていた。人目もはばからず泣きじゃくる姿は、単にダービージョッキーとなった喜びだけではなく、様々な思いの詰まった涙であった。

 晩年は史上3頭目の無敗での三冠馬となったコントレイルと出会い、G1を5勝加算すれば、21年にシャフリヤールを日本ダービー優勝に導き、円熟味のある卓越した騎乗技術を見せつけた。

 23年に関係者やファンにも惜しまれつつ、騎手人生に区切りをつけた福永は、現在調教師として新たな才能を発揮し始めたところである。

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