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武豊騎手
武豊騎手

中央競馬のG1競走は、2025年時点で年間わずか24レースしか行われない。その希少さゆえにホースマンなら誰もが憧れる舞台となる。本記事では、1984年のグレード制導入以降に、JRAのG1タイトルを手にした騎手について、勝利数トップ10をランキング形式で振り返る。[10/10ページ]

第1位 武豊(84勝)

 JRA・G1歴代最多勝利騎手は、56歳にして断トツの84勝を挙げ、押しも押されもせぬトップジョッキーとして活躍中の武豊騎手だった。

 父は現役騎手時代に「魔術師」と異名がつくほど華麗な騎乗で数々のG1を奪取した後、調教師としても実績を残した故・武邦彦さん。弟にもG1を6勝し、現在は調教師として活躍中の幸四郎がいる競馬一家出身の武豊騎手。

 鳴り物入りで1987年に騎手デビューを果たすと、トウカイローマンで京都大賞典を制すなど、重賞3勝を含む69勝を挙げ、新人勝利記録を更新した。以後現在まで、前人未到の39年連続での重賞勝利を継続中である。

 その「レジェンド」が歴史的G1初勝利を飾ったのは、ド派手だったルーキーイヤー翌年の1988年。滑り込みで出走が叶ったスーパークリークを巧みな手綱さばきで菊花賞馬へと導いた。

 武豊騎手は、以降も勝ち星を量産し、90年の安田記念と有馬記念を制したオグリキャップや、91、92年に天皇賞(春)連覇、93年宝塚記念優勝のメジロマックイーン、96年オークスと97年の天皇賞(秋)を制したエアグルーヴら、競馬史に残る名馬の鞍上でG1勝利数を伸ばした。

 また、1998年のスペシャルウィークで日本ダービー初制覇を遂げた後も、2001年にNHKマイルCとジャパンCダートを勝利したクロフネ、05年のジャパンCダートと06年のフェブラリーSを勝ったカネヒキリら実力馬たちの手綱を執った。

 04年に出会った伝説的名馬のディープインパクトには、デビュー戦から全14戦の鞍上を務め、05年三冠のほか、06年の天皇賞(春)、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念を勝利した。

 07年と08年にメイショウサムソンと女傑ウオッカでそれぞれ天皇賞(秋)を制すなど順調にG1勝ちを積み重ねた武豊騎手だったが、2010年に落馬事故で大怪我を負う。

 調子を崩しかけた苦しい時期を過ごすも、ディープインパクト産駒のキズナで2013年の日本ダービーを制し、再び上昇気流に乗り始める。

 近年ではキタサンブラックとのコンビで、16年の天皇賞(春)とジャパンカップ、17年の大阪杯、春秋の天皇賞、有馬記念とG1・6勝を加算。

 ドウデュースに騎乗し、21年の朝日杯FS、22年の日本ダービー、23年の有馬記念、24年の天皇賞(秋)とジャパンカップを制したことは記憶に新しい。

 2025年となった今年も、メイショウタバルで宝塚記念を逃げ切るなど、今なおトップジョッキーとして躍動中の武豊騎手。

 匠の技で数々の伝説を残してきた「生けるレジェンド」は、今後国内G1のコンプリートと、悲願の凱旋門賞制覇を成し遂げるまで、その歩みを止めることはないだろう。

【了】

【著者プロフィール:TOM】
1977年、神奈川県出身。2012年から競馬関係の仕事に携わっている。サッカー・フットサル、乗馬、旅行、音楽鑑賞が趣味。

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