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【有馬記念・馬券売上の上昇&下降率ランキング】あらゆる要素が影響?冬のグランプリにまつわるお金の話

text by 小早川涼風
2019年有馬記念を制した時のリスグラシュー
2019年有馬記念を制した時のリスグラシュー

年末の風物詩として広く知られ、競馬ファンはもちろん、競馬に馴染みのない人まで多く参戦する一大イベント・有馬記念。
毎年ドラマの生まれる冬のグランプリだが、果たして馬券売上はどのような推移を辿ってきたのだろうか。
今回は2000年以降の有馬記念で、売上の上昇率・下降率が大きかった3年ずつを取り上げ紹介する。[1/6ページ]

【上昇率 第3位】2019年

前年比 +7.4%(468億8971万4600円)

 この年の有馬記念はG1勝ち馬の参戦が11頭と、レース史上最多の出走数を記録。加えて、同年の古馬中長距離G1を制した馬が全て出走したうえ、3歳勢からも皐月賞馬と菊花賞馬がエントリーし、かなり層の厚いメンバーが顔を揃えていた。

 さらに当初は香港国際競走への出走を予定していたアーモンドアイが急遽有馬記念の参戦を決定。これによりいっそう盛り上がりが白熱し、レースの売上は約468億円を記録した。

 これは有馬記念の売上が大幅に下落した2006年以降では最も多い売上金となり、前年との比較でも7.4%上昇とかなりの上向き具合といえる。

 元号が平成から令和に変わり、「令和最初の有馬記念」と銘打たれて開催されたことも、新しいものには興味を惹かれやすい人間の購買意欲をかきたてたのかもしれない。

 レースはアエロリットがスタートから飛ばしてかなりのハイペースに。直線に向いたところでアーモンドアイが外から抜け出すかに思われたが、これを捉えたのが春のグランプリホースであるリスグラシュー。

 坂の上りで抜け出すとそのままぐんぐん差を伸ばし、最後は2着のサートゥルナーリアに5馬身差をつけて、史上10頭目、牝馬では初となる春秋グランプリ制覇の偉業を達成した。

 一方、1番人気のアーモンドアイは9着。単勝1倍台前半の同馬が敗れたことで、上位3頭が2,3,4番人気での決着ながら、3連複は万馬券という波乱に。

 売上比はプラスになったが、果たしてどのくらいの人が払い戻しで笑顔になれたのだろうか。

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