
年末の風物詩・有馬記念。名馬たちの激闘に注目が集まる一方で、馬券面でも大きな盛り上がりを見せる。普段は3連単をあまり買わない人でも、有馬記念は一攫千金を狙って購入することが多いだろう。実際、2024年の日本ダービーの3連単売上が約109億円だったのに対し、有馬記念は約192億円に達した。
今回は2004年に3連単が発売されて以降、有馬記念で記録された高配当の上位5つを紹介する。[5/5ページ]
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第1位 2008年 98万5580円
着順:1着ダイワスカーレット(1番人気)→2着アドマイヤモナーク(14番人気)→3着エアシェイディ(10番人気)
天皇賞(秋)でウオッカと火の出るような激闘を繰り広げたダイワスカーレット。ライバルはジャパンカップを最後に年内休養に入り、天皇賞(秋)で3着に迫ったディープスカイも不在となれば、ここで負けるわけにはいかなかった。
ゲートが開くと、ダイワスカーレットは快調に飛ばす。だがカワカミプリンセスやメイショウサムソンといった強豪もピッタリ後ろをマークし、簡単には逃げさせない。
楽に行けず、強い馬を引き付けるプレッシャーをかけられたダイワスカーレットが刻んだ1000m通過のタイムは59秒6と、当時でもかなり速いペース。
だが彼女は、勝負所でさらに1秒以上ピッチを上げ、後続を振り切りにかかった。これにたまらず先行した2頭と捲ってきたマツリダゴッホ、スクリーンヒーローは直線入り口で脚色が鈍くなり、馬群に飲み込まれていく。
だが、逃げたダイワスカーレットだけは止まるどころかさらに加速し、後続との差をぐんぐん広げると、そのまま先頭でゴール坂を駆け抜けた。
彼女が刻んだ後半1000m通過のタイムはなんと59秒8。前半と後半で0秒2しか差のないラップタイムを刻んだうえ、ハイペースで逃げ切り勝ちを収めるというのは、真の一流馬にしか成し得ない勝ち方である。
この流れによって先行した人気各馬が馬群に飲み込まれ、後方で脚を溜めていた最低人気のアドマイヤモナークと10番人気のエアシェイディが3着に突っ込んだことで3連単の配当は98万5580円。
1番人気の馬が勝利したにもかかわらず100万円近い配当を記録したうえ、この年は同時にワイド(28,200円 アドマイヤモナーク-エアシェイディ)、3連複(192,500円)でも、レース史上最高の払戻額が更新された。
この馬券を抑えていた人にとっては年の瀬にビッグなプレゼントとなったことは間違いないだろう。
【了】
【著者プロフィール:小早川涼風】
祖父、父の影響で幼い頃から競馬に触れ、社会人後ライターに。地方、中央を問わない競馬漬けの日々を送る。初めて好きになった馬はサイレンススズカ。思い出の馬はファストフォース。
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