
年末の風物詩・有馬記念。名馬たちの激闘に注目が集まる一方で、馬券面でも大きな盛り上がりを見せる。普段は3連単をあまり買わない人でも、有馬記念は一攫千金を狙って購入することが多いだろう。実際、2024年の日本ダービーの3連単売上が約109億円だったのに対し、有馬記念は約192億円に達した。
今回は2004年に3連単が発売されて以降、有馬記念で記録された高配当の上位5つを紹介する。[4/5ページ]
——————————
第2位 2007年 80万880円
着順:1着マツリダゴッホ(9番人気)→2着ダイワスカーレット(5番人気)→3着ダイワメジャー(6番人気)
この年の有馬記念では、64年ぶりに牝馬として日本ダービーを制したウオッカ、そしてそのウオッカをG1で2度下したダイワスカーレットと、3歳勢が大きな注目を集めていた。
一方で、1番人気に支持されたのは、史上5頭目となる天皇賞・春秋連覇を果たしたメイショウサムソン。さらに、春秋マイル制覇を成し遂げたダイワメジャーも参戦し、2007年の有馬記念かなり色濃いメンバーが顔を揃えていた。
ところが、終わってみればそんな濃さを上書きするような、もっと驚きの結果が待っていた。
ゲートが開くとチョウサンが逃げ、ダイワスカーレットは先行。ウオッカとダイワメジャーは中団に控え、それを見ながらメイショウサムソンも追走していく流れに。
ここまで好走を繰り返してきたポップロックや3歳の新星ロックドゥカンブも彼らを見るような位置に落ち着き、人気各馬は後方に控える展開となった。
だが、逃げたチョウサンに跨る横山典弘騎手は1000m地点を過ぎたところで思い切りラップを落としており、レースは先行各馬に有利なスローペースとなった。
そして勝負所、外から動いたダイワスカーレットの内からこれまで息を潜めていたマツリダゴッホがコーナーワークで先頭に立つと、上り最速の末脚で後続を寄せ付けずに完勝。単勝9番人気、52.3倍の評価を嘲笑うかのような勝ち方だった。
上位3番人気以内の馬が全て着外に敗れたこともあり、3連単の配当は80万880円の大波乱に。レース後、蛯名騎手は「KY(空気読めない)って言われたよ」と笑いを誘った。
そしてマツリダゴッホは、この勝利で中山コースでの成績が【5-1-1-1】とほぼ完璧に近い数字に。翌年のオールカマーも制したことで、その巧者ぶりはさらに輝きを増した。しかし、暮れの有馬記念では2番人気に支持されたが12着に敗れた。
さらにその翌年、オールカマーで三連覇を達成したが、有馬記念では7着止まり。ある意味、3年連続でファンからは「KY」の結果を残したが、それでも「中山の鬼」という評価に異論はないだろう。



