
年末の風物詩・有馬記念。名馬たちの激闘に注目が集まる一方で、馬券面でも大きな盛り上がりを見せる。普段は3連単をあまり買わない人でも、有馬記念は一攫千金を狙って購入することが多いだろう。実際、2024年の日本ダービーの3連単売上が約109億円だったのに対し、有馬記念は約192億円に達した。
今回は2004年に3連単が発売されて以降、有馬記念で記録された高配当の上位5つを紹介する。[2/5ページ]
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第4位 2015年 12万5870円
着順:1着ゴールドアクター(8番人気)→2着サウンズオブアース(5番人気)→3着キタサンブラック(4番人気)
実力馬が乱立して混戦模様だった前年とは異なり、確固たる本命級の馬が不在だったのが2015年の有馬記念である。
1番人気はここをラストランに選んだゴールドシップが推されていたが、天皇賞(春)を制して以降、宝塚記念は世紀の出遅れで15着、ジャパンカップは全く伸びずに10着と二桁着順が続き、精彩を欠いている状況だった。
さらに2番人気のラブリーデイもこの年G1を2勝しているとはいえ、2500m以上のレースでは【0-0-0-5】と3着以上がなく、3,4番人気のリアファル、キタサンブラックは共に古馬とは初対戦という形であった。
3連単の1番人気のオッズが98倍で、2番人気以降の組み合わせは万馬券ということからも、ファンが非常に頭を悩ませる1戦だったことが分かる。
ゲートが開くとゴールドアクターが先頭を主張するが、それを制してキタサンブラック、リアファルの2頭が逃げて行く。
道中は遅めのペースでレースが進んでいたが、向こう正面あたりで最後方にいたゴールドシップが先頭を目がけて一気に進出したことでピッチが上がる。
だが、このレースではここまで彼が見せてきたような豪脚ではなく、先頭集団に並びかけたところで早くも脚色が怪しくなった。
それを横目に手応え良く先頭集団に並びかけたのがゴールドアクターだった。抜け出していたキタサンブラックを捕らえると、後方から追い込んでくるサウンズオブアースも抑えて優勝。人馬共に初のG1制覇を飾り、鞍上の吉田隼人騎手は馬上で雄叫びを上げた。
ゴールドアクターはアルゼンチン共和国杯を経由しての有馬記念制覇。彼の父であるスクリーンヒーローは同レースを経由してジャパンカップでG1初制覇を達成しており、親子で同様のレースをステップにしてのG1初勝利という珍しい記録も樹立した。
そして2着のサウンズオブアースに騎乗していたのは、そのスクリーンヒーローをジャパンカップで1着に導いたミルコ・デムーロ騎手。
3着のキタサンブラックに騎乗していた横山典弘騎手は、スクリーンヒーローが怪我から帰ってきた初戦で勝利に導いている。
さらに4着のマリアライトに騎乗していた蛯名正義騎手は、アルゼンチン共和国杯でスクリーンヒーローを初重賞制覇にエスコートしており、現役時代の彼に携わった者たちが上位4頭を独占する形となったのは不思議な縁ともいえるだろう。
3連単は12万5870円の波乱となったが、翌年以降もこの4頭はG1戦線を盛り上げ、特に3着のキタサンブラックは新たな競馬界のスターとなったことを考えると、この配当は少し意外かもしれない。



