④2004年(勝ち馬バゴ)
ラムタラの勝利から9年が経った2004年の凱旋門賞。この年の勝ち馬も、日本人には馴染み深いバゴであった。
バゴはフランス産馬で、デビューから破竹の6連勝。しかしその連勝はフランス国内によるものだけであり、さらにマイル〜中距離によるもので、クラシックにも出走はしていなかった。
初の国外レースとなる、イギリスのインターナショナルステークスで3着に敗れると、初の2400mとなった、凱旋門賞の前哨戦ニエル賞でも3着。この2度の敗戦により、凱旋門賞での人気は5番人気にとどまっていた。
この年は、日本からもタップダンスシチーが参戦。しかし輸送機のトラブルなどもあり、フランス到着はレース2日前という強行軍での出走であった。
レースはノースライトの逃げ。タップダンスシチーはそのすぐ外の2番手につけ、バゴは中団馬群の中から競馬を進める。そのままレースは進むが、坂の下りを利してタップダンスシチーが早めに先頭に並びかけ、直線へと向かう。
ノースライトとタップダンスシチーが並んで直線へと入るが、残り400mでタップダンスシチーは失速。代わって伸びてきたのがチェリーミックス。残り300m手前でノースライトを捕えて先頭へと立つ。しかし、さらにそれを目標に伸びたのがバゴであった。後続馬群から抜け出してチェリーミックスを追うと、1完歩ごとに差を詰め、残り50mで逆転。2着チェリーミックスに半馬身差をつけて、そのまま先頭でゴールを駆け抜けた。
先行して見せ場を作ったタップダンスシチーは、輸送予定が狂ったのが影響したのか、17着という結果に終わった。
勝ったバゴは、翌年も現役を続行。引退レースには日本の地を選び、ジャパンカップでアルカセットの8着となった。
現役引退後は、日本で種牡馬入り。初年度産駒から菊花賞馬ビッグウィークを輩出すると、その後もコツコツと重賞馬を出した。そして後年には、自身の代表産駒となるクロノジェネシスを輩出。クロノジェネシスはグランプリ3連覇の偉業に加え、父娘制覇を目指して2021年の凱旋門賞にも挑戦し、トルカータータッソの7着となった。