HOME » コラム » ランキング » 【騎手がGⅠ初勝利するまでの挑戦回数ランキング】涙の数だけ強くなれる!諦めなかった者が辿り着いた絶景 » ページ 9

競馬の世界で最高峰に位置づけられる「G1」。そのタイトルは騎手であれば一度は夢見る頂だろう。だが、その壁は高い。そもそも騎乗機会が限られ、さらに勝つには、運も馬の力も、技術も、すべてが噛み合わなければならない。そこで今回はG1初勝利までに最も多く挑戦した騎手たちトップ10 をランキング形式で紹介していく。[9/10ページ]

第2位 藤岡佑介

挑戦86回目・2018年NHKマイルカップ・ケイアイノーテック

2018年NHKマイルCでG1初制覇を果たした藤岡佑介騎手(ケイアイノーテック)
2018年NHKマイルCでG1初制覇を果たした藤岡佑介騎手(ケイアイノーテック)

 2004年にデビューした競馬学校20期生の中ではトップの35勝を挙げ、新人賞を受賞した藤岡佑介騎手。年末の朝日杯フューチュリティステークスで早くもG1初騎乗を果たし、翌2005年2月の京都牝馬ステークスでは重賞初制覇を飾った。

 以降もスーパーホーネットを筆頭にG1や重賞での好走を積み上げ、次代のホープとして期待が高まっていった。

 一方で、2008年には川田将雅騎手が同期で最初にG1タイトルを獲得し、続く2009年には弟・藤岡康太騎手がデビュー3年目でNHKマイルカップを制覇。

 藤岡佑介騎手自身も2010年にJBCスプリント(船橋)を制し、G1級競走は制覇したものの、依然としてJRAのG1には手が届かないでいた。馬券圏内の好走も、2010年の安田記念での2着を最後に、2017年の菊花賞まで35戦連続で途絶えることとなった。

 とはいえ、この間も2012年にG1級競走である全日本2歳優駿をサマリーズで制し、JRAの重賞も8勝していたように実績は確実に積み上げていた。

 そして2018年のNHKマイルカップ、佑介騎手はケイアイノーテックに騎乗。前走のニュージーランドトロフィーで3着に導いた武豊騎手が騎乗停止により手綱を取れず、代打騎乗として白羽の矢が立った形だった。

 調教から同馬に跨り、「長く良い脚を使う」という印象を持った佑介騎手は、スタート後に行き脚がつかなくとも焦らず、直線一気に勝負を賭けると腹を括った。

 後方2番手で脚を溜め、府中の直線に向いたところで大外へ持ち出すと、溜めていたケイアイノーテックの末脚が爆発。有力各馬が内側でごちゃつく不利を横目に脚を伸ばすと、前を行く16頭を直線だけで華麗に撫で切って優勝。

 スーパーホーネットで何度も悔しい思いをした府中のマイルで、その悔しさを晴らす見事な快勝劇となった。

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