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【松本好雄オーナーの名馬5選】史上初の通算2000勝!半世紀にわたり競馬界を彩った「メイショウ軍団」

text by 中西友馬

1974年に馬主となり、半世紀以上にわたり「メイショウ」の冠で数多くの名馬を送り出してきた松本好雄オーナー。今年ついに個人馬主として史上初の通算2000勝を達成した。しかし、その偉業から間もなく、松本オーナーはこの世を去った。今回は日本競馬の発展に尽力した松本氏を偲び、所有した名馬5頭を厳選して紹介する。

2001年宝塚記念を制した時のメイショウドトウ
2001年宝塚記念を制した時のメイショウドトウ

①メイショウドトウ

 最初に紹介するのは、メイショウドトウ。獲得賞金は9億円を超え、松本オーナーに馬主生活28年目にして初のG1タイトルをもたらした馬である。

 世代としては、テイエムオペラオー、アドマイヤベガ、ナリタトップロードらと同じ1999年クラシック組。

 しかし、その3頭が皐月賞でクラシック第一戦を戦っている日に、メイショウドトウは皐月賞が行われる中山競馬場ではなく、中京競馬場でダート1700mのかいどう賞(現1勝クラス)に出走していた。

 デビュー自体が年明けと遅かったメイショウドトウは、デビューから5戦目まではダートのレースに出走した。当然、先述した同期の面々とは一切交わることがなかった。

 本格化を果たしたのは、年が明けて5歳(現4歳)となってから。芝を使うようになってオープンクラスまで昇級し、中京記念で重賞初制覇。さらには金鯱賞も勝利し、ついに宝塚記念でG1の舞台へとたどり着く。

 しかしそこに立ち塞がったのは、同期の大将格となっていたテイエムオペラオー。このレースでクビ差及ばず2着に敗れると、ここからが地獄の始まり。

 天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念、翌年の天皇賞(春)と、G1では5戦連続でテイエムオペラオーの2着となり、すっかりシルバーコレクターの印象がついていった。

 そして、6度目の直接対戦となった2001年の宝塚記念。4角先頭という強気の競馬でついにテイエムオペラオーを封じ込め、G1初制覇を飾った。そしてこの勝利が、松本オーナーにとっても馬主生活28年目にして悲願のG1初制覇であった。

 G1でテイエムオペラオーの2着となること5回。6度目の正直でG1制覇を果たしたメイショウドトウの宝塚記念は、28年間地道に馬主生活を送ってきた松本オーナーの人生を体現する勝利に感じられた。

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