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Field Sense
第69回日本テレビ盃を制したときのフィールドセンス

⑤2022年(勝ち馬フィールドセンス)

 サルサディオーネによる、地方所属馬11年ぶり勝利から1年が経った、2022年の日本テレビ盃。この年は、多数参戦のJRA3歳勢vs連覇を狙うサルサディオーネという構図であった。

 1番人気はユニコーンS覇者のペイシャエス。3歳ダートの大目標JDDでは2着で、53キロで出走できる点が評価を高めていた。

 2番人気は前年覇者のサルサディオーネ。2022年に入ってからも牡馬混合のさきたま杯を勝利し、8歳シーズンでも衰えは見られなかった。

 3番人気は米遠征帰りのクラウンプライド。ケンタッキーダービーでは13着に敗れたが、その前のUAEダービーを制し、異国の地で重賞制覇を果たしていた。

 そして4番人気がノットゥルノ。こちらはJDDで前出ペイシャエスを下して交流G1制覇。ただ、そのぶんペイシャエスより2キロ重い55キロを背負っての出走となった。

 レースは、大方の予想通りにサルサディオーネがハナを切り、ノットゥルノが2番手でぴったりマークする展開。その後ろにクラウンプライドがつけ、ペイシャエスはさらにその後ろに位置を取る。上位人気4頭はいずれも前めのポジションをキープする。サルサディオーネは、前年とほぼ同じハイラップを刻み、やはり縦長の馬群となる。逃げるサルサディオーネに2〜3番手からノットゥルノとクラウンプライドが差を詰め、3頭ほぼ横並びの態勢で4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、3頭の争いからノットゥルノが脱落。サルサディオーネとクラウンプライドの追い比べとなり、さらにその中から残り150mでクラウンプライドが抜け出す。しかし、そこに大外から襲いかかったのが道中中団待機のフィールドセンス。ゴール前でクラウンプライドをきっちりと捕えて差し切り勝ち。半馬身差の2着がクラウンプライドとなり、サルサディオーネはそこから3馬身遅れた3着に敗れ、連覇達成はならなかった。

 勝ったフィールドセンスは、前年のサルサディオーネに続き、2年連続で地方所属馬による日本テレビ盃勝利を達成。中央からの転入3戦目で、嬉しい交流重賞初制覇を飾った。

 読んでお分かりの通り、今回は地方所属馬が勝利したレースの中から、5つをピックアップして紹介した。

 1998年に交流重賞となってから2023年までに行われた25回の内訳は、JRA勢18勝、地方勢7勝(2007年は地方所属馬限定で行われたため除く)。JRA勢が優勢なのは確かだが、ほかの交流重賞と比べると、比較的地方所属馬の活躍が目立つ日本テレビ盃。

 今年はどんな結果になるのか、楽しみにしながら見ていきたい。

(文●中西友馬)

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