④2021年(勝ち馬サルサディオーネ)
フリオーソの勝利から11年が経った、2021年の日本テレビ盃。
この年の注目は、国内では9戦8勝と圧倒的な力を見せていたクリソベリル。前走のチャンピオンズCでチュウワウィザードの4着と国内初黒星を喫し、その後靭帯を痛めて休養入り。JBCクラシックに向け、約10ヶ月ぶりの復帰戦として日本テレビ盃を選択していた。
長休明けとなるが今までの実績が評価され、単勝1.5倍という断然の1番人気に支持されていた。
レースは、外枠からでも好スタートを切ったサルサディオーネがすんなりとハナを切り、クリソベリルはスッと2番手につける。先行争いで競ったわけではないが、サルサディオーネはハイラップを刻む。馬群はかなり縦長となり、前の6頭と後ろの5頭に大きく分かれる展開。前の6頭もバラバラのまま4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入ると、逃げるサルサディオーネのリードは3馬身ほど。2番手からクリソベリルが必死に追うが、なかなか差が詰まらない。逆に、伸びあぐねるクリソベリルを残り100mあたりで交わしたのが、ダノンファラオとメイショウダジン。この2頭がサルサディオーネとの差を詰めてくる。しかし、それらの追い上げをなんとか振り切ったサルサディオーネが勝利。半馬身差の2着にダノンファラオが入り、さらに1馬身差の3着がメイショウダジンとなった。断然人気のクリソベリルは最後苦しくなり、6着に敗れた。
ちなみにクリソベリルは、レース後放牧に出され、重度のノド鳴りが発覚。この日本テレビ盃を最後に、現役引退が発表された。
勝ったサルサディオーネは、交流重賞4勝目。過去の3勝は全て牝馬限定によるレースだったため、牡馬混合の交流重賞勝利は初となった。地方馬による日本テレビ盃勝利は、フリオーソ以来11年ぶり。牝馬による日本テレビ盃勝利は、交流重賞となってからは初めての快挙となった。
サルサディオーネはその後、翌年のさきたま杯で交流重賞5勝目。牡馬相手にも果敢な逃げで湧かせる、地方競馬を代表する女傑であった。