HOME » コラム » 5選 » 【日テレ盃名勝負5選】フリオーソやナイキアディライトなど“地方の雄”も活躍 » ページ 3

Furioso
第57回日本テレビ盃を制したときのフリオーソ

③2010年(勝ち馬フリオーソ)

 ナイキアディライトとアジュディミツオーの東京ダービー馬ワンツーから6年が経った、2010年の日本テレビ盃。この年は、日本テレビ盃史上最強のメンバーが揃ったと言っても過言でないほどの好メンバーが集結した。

 1番人気は地方の雄フリオーソ。G1級4勝を含む交流重賞6勝という、歴代の地方所属馬の中でもトップクラスの実績を誇っていた。ほかの有力馬より2キロ重い58キロを背負いながらも、単勝2.5倍の支持を集めていた。

 2番人気はトランセンド。こちらは、前走G2の東海Sでクビ差2着と好走。ただ、この時点では重賞1勝と、実績ではフリオーソから大きく水をあけられていた。しかし、先行力があって地方のコース適性が高いと見られていたことと、フリオーソより2キロ軽い56キロで出走できる点が評価され、単勝3.0倍とフリオーソに肉薄していた。

 3番人気はスマートファルコン。この馬はG1級での勝利こそないものの、交流重賞10勝の実績は、フリオーソを大きく上回る。前走の帝王賞で6着に敗れたフリオーソとの再びの対決で、雪辱に燃えていた。

 レースは、好ダッシュから内に寄せていくフリオーソだったが、その内から押してトランセンドが抵抗。1角までにトランセンドがハナを奪い切り、フリオーソは2番手に控える形となる。スマートファルコンはその後ろ、好位のインにポジションを取って進めていく。ペースが上がった3角ではスマートファルコンが内から3番手に浮上し、人気3頭が先行集団を形成する展開。中でも前の2頭がほとんど並んで4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、手ごたえ優勢にフリオーソが先頭へと立つ。2番手争いは、粘るトランセンドに、外へと持ち出したスマートファルコンがジリジリと迫る。しかしそれを尻目に、フリオーソが2馬身半差の快勝。2着にはいっぱいいっぱい逃げ粘ったトランセンドが入り、ハナ差の3着がスマートファルコンとなった。

 勝ったフリオーソは、58キロの斤量をものともせず、交流重賞7勝目。その後もJRA勢としのぎを削り、現役引退までにG1級6勝を含む、交流重賞9勝という輝かしい実績を残した。

 ちなみに、2着のトランセンドもこの後G1級4勝の活躍を見せ、翌年のフェブラリーSではフリオーソにリベンジを果たす。

 さらに、3着のスマートファルコンも次走のJBCクラシックでフリオーソにリベンジを果たすと、そこからG1級6勝を含む交流重賞9連勝。

 この3頭が一堂に会した2010年のレースは、日本テレビ盃の歴史に残るハイレベルな戦いであった。

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