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「勝負するフィールドを狭める」とは

 では具体的には、どのようにすれば回収率を上げることができるのでしょうか。玉嶋の視点で興味深いのは、「ビギナーズラック」に注目している点です。

「ビギナーの頃は芝の重賞しかやらなかったから勝てていた人でも、手をどんどん拡げていってジリ貧に陥る。そんな人をたくさん見てきました」と語っています。

 そこで玉嶋が提案するのが、「勝負するフィールドをあえて狭める」という戦略です。

「予想をする場合は芝重賞が最もシンプルにまとまります。個人的にはほぼ毎週レースがある芝オープン、延いては芝重賞をおすすめします」

 この「フィールドを狭める」戦略は、時間と労力を効率的に使い、予想の質を高めることができる優れた方法です。これは必ずしも全ての人に適したアプローチではないかもしれませんが、回収率アップを目指す上では、自分なりの競馬との付き合い方を見つけていくことが重要です。

 長期的に楽しめる競馬ライフを築くことが、最終的には最も大切なポイントとなるでしょう。玉嶋の知見を参考に、競馬ファンそれぞれが自分に合った競馬戦略を見つけることが重要なのかもしれません。

 次回は、再び話を競走馬の「能力比較」に戻し「MI値」について学びます。

次回:10月2日更新
“伝家の宝刀”MI値の詳細解説と実践的な活用法


<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

▼競馬の教科書シリーズ▼
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