④2014年(勝ち馬:ゴールドシップ)
オルフェーヴルの復活Vから2年が経った、2014年の宝塚記念。この年のファン投票1位は、「芦毛の怪物」ゴールドシップであった。ゴールドシップの宝塚記念といえば、翌年2015年の15着大敗のイメージを持たれている方も多いかもしれない。たしかにファン投票1位の馬が宝塚記念に出走して2桁着順となったのは、この2015年のゴールドシップのみという、歴史に残る出遅れからの大敗であった。
しかし、その前年の2014年は、圧巻の強さで宝塚記念を勝利。史上初の宝塚記念連覇を達成したのであった。戦前は3強ムード。ディフェンディングチャンピオンとして受けて立つゴールドシップが1番人気(単勝オッズ2.7倍)で、直前の天皇賞(春)でゴールドシップに先着しているウインバリアシオンが2番人気(単勝オッズ3.0倍)。ドバイでさらなるG1タイトルを獲得して凱旋帰国となった3冠牝馬ジェンティルドンナが3番人気(単勝オッズ4.1倍)で続き、単勝10倍以下はこの3頭で発走を迎えた。
レースは、ヴィルシーナがハナを切り、見た目にもゆったりとした流れ。そのおかげで、いつも通りスタートで行き脚のつかなかったゴールドシップだったが、1角までに好位の外めまで巻き返しに成功した。ゴールドシップとほぼ同じ位置にジェンティルドンナはポジションを取り、ウインバリアシオンは中団後方寄りの位置どりとなった。前半1000mの通過が62秒4というスローペースであるにも関わらず、道中に目立つ動きはなし。逃げるヴィルシーナに、2番手からフェイムゲームが早めに並びかけて4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入っても、前の2頭は激しく争っていたが、残り200mを切ったあたりでゴールドシップがまとめて交わして先頭。そこからは危なげない走りでリードを広げ、3馬身差の快勝。連れて好位から伸びたカレンミロティックが2着に上がり、差し返し気味に最後まで粘り通したヴィルシーナが3着となった。
勝ったゴールドシップは、ファン投票1位と1番人気に応え、G1・5勝目。宝塚記念の連覇は、史上初の快挙となった。まさに今回の企画にふさわしい、ファンに愛された名馬であった。