②2000年(勝ち馬:テイエムオペラオー)
メジロマックイーンの勝利から3年が経った、2000年の天皇賞(春)。この年のファン投票1位は、「世紀末覇王」ことテイエムオペラオー。
前年の有馬記念では4歳(現3歳)ながら、グラスワンダーとスペシャルウィークによる4センチ差の争いにクビ差で食い下がり、5歳(現4歳)となってからは3連勝で天皇賞(春)を制覇。まさにテイエムオペラオー時代の到来を予感させる強さで、ファン投票だけでなく、もちろんレースでも1番人気(単勝オッズ1.9倍)であった。
続く2番人気(単勝オッズ2.8倍)は、前人未到のグランプリ4連覇がかかる昨年覇者グラスワンダー。こちらはテイエムオペラオーと対照的に、年が明けてから連敗中。得意なグランプリレースでの復活に期待がかけられていた。
レースは、サイレントハンターがハナを切り、テイエムオペラオーは好位のインを追走。グラスワンダーは中団後方寄りの外めから進めていた。レースが動いたのは、3角手前。前はサイレントハンターが大逃げの形を作り、離れた2〜3番手にメイショウドトウとジョービッグバンが追走という展開だったが、後方から内をスルスルとラスカルスズカがその後ろまで浮上。同じタイミングでグラスワンダーは外から上がっていき、テイエムオペラオーも早めに外へと出してスパートのタイミングを窺う。
さらにラスカルスズカはインを伝ってサイレントハンターの前まで上がり、先頭へと立って4角を回って最後の直線へと向かう。直線に入ると、内ラチ沿いでラスカルスズカが先頭。離れた外から、サイレントハンターを交わしたメイショウドトウとジョービッグバン、さらにはテイエムオペラオーが併せ馬の形で前との差を詰めてくる。
勢いに任せて外の3頭が抜け出し、その中でもねじ伏せるように前に出たテイエムオペラオーが勝利。クビ差の2着にメイショウドトウが入り、さらにクビ差の3着にジョービッグバン、グラスワンダーは伸び切れず6着に敗れた。
勝ったテイエムオペラオーは、4連勝でG1・3勝目。勢いはとどまるところを知らず、この年無敗の8戦8勝を飾る。しかし、テイエムオペラオーが2年連続のファン投票1位に輝いた翌年の宝塚記念では、何度も苦杯を舐めてきたメイショウドトウがついにテイエムオペラオーを撃破。悲願のG1初制覇を果たすこととなる。