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⑥中毒じゃない象さんの推し馬

グランマエストロ

グランマエストロ(2025年6月5日調教)
グランマエストロ(2025年6月5日調教)

エピファネイア
グランアレグリア
母の父 ディープインパクト
生年月日 2023年1月24日
性別
毛色 栗毛
調教師 【美浦】木村哲也
馬主 サンデーレーシング
生産者 ノーザンファーム

 POGで1頭を指名するにあたって、何より重視したいのは「ダービーを勝てる馬かどうか」だ。ダービーは唯一無二の称号であり、すべてのホースマンにとっての究極の夢。その夢を1年かけて一緒に追いかける──それこそがPOGの醍醐味ではないだろうか。

 そして、ダービーと聞いて、私が真っ先に思い出すのがスキルヴィングである。2歳時からクラシック候補として注目され、青葉賞を無敗で制してダービーの大舞台へと駒を進めた。私は信じていた。「ルメール様が2度目のダービージョッキーとなる日が来た」と。

 しかし、スキルヴィングはレース中に異変をきたし、予後不良となった。

 その知らせを聞いたとき、私は言葉を失った。コースに倒れたスキルヴィングを静かに撫でるルメールさんの姿。肩を寄せ合う木村哲也調教師とルメールさん。あの光景は、今もまぶたに焼き付いて離れない。

 だからこそ、もう一度──木村厩舎とルメールさんのタッグで夢を見たい。その思いを託すにふさわしい馬こそが、グランマエストロである。管理するのはもちろん木村哲也厩舎。そして鞍上には、あのルメール様が座る。母は言わずと知れたグランアレグリア。GⅠを6勝し、マイル界の絶対女王として君臨した名牝である。そして、その主戦騎手がルメールさんだった。

 血と意志を継ぐ馬と人のリレー。グランアレグリアが切り開いた道を、グランマエストロが受け継ぎ、そしてダービーの頂点へとつなげていく。

 POGにロマンを求めるなら、血統・厩舎・騎手の「信頼できる三位一体」に賭けてみたい。グランマエストロは、そのすべてを備えている。

(文●中毒じゃない象さん

【了】

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