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TaninoGimlet
第69回東京優駿を制した時のタニノギムレット(写真左)

③2002年(勝ち馬タニノギムレット)

 サニーブライアンの2冠達成から5年が経った、2002年のダービー。
 この年も先ほど同様に、1冠目の皐月賞が大荒れ。15番人気(単勝オッズ115.9倍)のノーリーズンが勝利し、8番人気(単勝オッズ19.2倍)のタイガーカフェが2着。馬連5万円超の決着となっていた。

 そんな中、ダービーの1番人気(単勝オッズ2.6倍)は、皐月賞でも1番人気を集めて3着に敗れていたタニノギムレット。脚を余し気味で3着に敗れた皐月賞の後には、再び1番人気でNHKマイルCに出走。直線での不利も響いてここも3着に敗れており、不完全燃焼の競馬が続いていた。

 続く2番人気(単勝オッズ5.0倍)は、皐月賞馬ノーリーズン。皐月賞は短期免許のドイル騎手が騎乗していたため、テン乗りの蛯名騎手とのコンビで挑んでいた。そして3番人気(単勝オッズ6.2倍)は、シンボリクリスエス。なかなか2勝目が挙げられず皐月賞には出走できなかったが、ダービーTRの青葉賞を快勝して、ここに駒を進めていた。

 レースは、サンヴァレーがハナを切り、人気各馬は軒並み中団から後方寄り。シンボリクリスエスが中団につけ、タニノギムレットとノーリーズンは並ぶようにしてその後ろから進めていた。

 前半1000mの通過は、61秒7とゆったりとしたペース。それを見越して2番手以降の馬が早めにペースを上げて4角を回り、最後の直線へと向かう。

 直線に入ると、好位から抜け出したマチカネアカツキとゴールドアリュールが競り合うところを、外からシンボリクリスエスが交わしにかかる。しかし、それらの争いを大外からまとめて面倒見たのがタニノギムレット。接戦となる2着争いを尻目に、1馬身の差をつけて勝利を収めた。2着にはシンボリクリスエスが入り、アタマ差の3着がマチカネアカツキ。皐月賞馬ノーリーズンは8着に敗れた。

 勝ったタニノギムレットは、ここ2戦の鬱憤を晴らすような鮮やかな差し切り勝ち。鞍上の武豊騎手は、ダービー3勝目を挙げた。その後、放牧を経て秋に向けて調整されていたが、屈腱炎を発症。種牡馬としての期待が高かったこともあり、現役引退が発表された。

 そしてその期待通り、5年後のダービーは初年度産駒のウオッカが勝利。史上初となるダービー父娘制覇を達成した。

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