②1993年(勝ち馬ライスシャワー)
メジロマックイーンがトウカイテイオーを倒し連覇を達成した翌年となる、1993年の天皇賞(春)。今度は3連覇をかけたメジロマックイーンが単勝1倍台となっていた。
前年に天皇賞(春)連覇を飾ったメジロマックイーンだが、その後の宝塚記念に向けた調教中に骨折。長期離脱を余儀なくされる。前2年で、天皇賞(春)の前哨戦として勝利していた阪神大賞典には間に合わず、産経大阪杯が始動戦となった。調整不足が懸念されていたが、それを一蹴する5馬身差の圧勝劇。3連覇を目指す天皇賞(春)にきっちりと間に合わせてきた。
対する2番人気は、前年の菊花賞でミホノブルボンの無敗3冠制覇を阻止したライスシャワー。前哨戦の日経賞を快勝して、ここに挑んできていた。
単勝オッズは、メジロマックイーンが1.6倍の1番人気。ライスシャワーが5.2倍の2番人気となり、以下はマチカネタンホイザ、メジロパーマーと続いて発走を迎えた。
レースは、前評判通りにメジロパーマーが逃げ、ムッシュシェクルが2番手。メジロマックイーンはその後ろとなる好位の外めにつけ、それを見るように内からライスシャワーが続いていた。逃げるメジロパーマーは徐々に後続を引き離し、5馬身以上のリードを作る展開。しかし、3角手前あたりからムッシュシェクルとメジロマックイーンが徐々に差を詰め、それをぴったりマークするようにライスシャワーが追走した。その中からムッシュシェクルが脱落し、3頭が雁行状態という形で4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入ると、メジロパーマーを交わしてメジロマックイーンが先頭に立つ。そこに外へと切り替えていたライスシャワーが並びかけ、残り250mあたりで先頭へ。そのままマックイーンを突き離したライスシャワーが勝利した。2馬身半差の2着がメジロマックイーンとなり、交わされてからもしぶとかったメジロパーマーが3着で続いた。
勝ったライスシャワーは、菊花賞に続いてG1・2勝目。ミホノブルボンの無敗3冠阻止に続き、メジロマックイーンの天皇賞(春)3連覇も阻止する形となり「レコードブレイカー」などと呼ばれた。そのようにヒール役に見られることもあったライスシャワーは、2年後の天皇賞(春)でG1・3勝目を挙げるも、その直後の宝塚記念でレース中に骨折して予後不良となった。
悲しい最期となってしまったが、今でも根強い人気を誇る、競馬ファンに愛された馬であった。