「春は花粉症に悩まされている説」を検証

もうひとり、単複回収値100超えという人気馬への騎乗が多い戸崎騎手のなかでも、儲かる調教師が大和田成調教師だ。勝率32.4%とバツグンで、とにかく相性がいい。オメガギネス、オメガキャプテンなど原禮子氏とのトリオで勝利を重ねる。このトリオ、2023年は9鞍で5-3-1-0と3着内パーフェクトを達成した。24年も2-2-0-4と好調であり、引き続き見かけたら積極的に買おう。オメガウインク2-3-1-1(戸崎騎手騎乗成績)、オメガキャプテン3-1-0-2など好結果もズラリ。
原禮子氏だけでなく、大和田成厩舎では戸崎騎手の継続騎乗の成績がいい。乗り替わりも数字としては十分だが、継続がそれを上回る。乗り替わりの戸崎騎手だが、大和田成厩舎の場合は逆に継続がいい。ちなみに乗り替わりでは関西所属騎手からの乗り替わりが2-1-0-0。どうしたって買いたくなるデータばかり。たとえ人気だとしても、積極的に活用しよう。
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さて、次は競馬場に注目だ。正直、どの競馬場も数字は大きく変わらず、長い直線がいい、小回りに強いといった特徴はみられない。そこで春の中山開催に注目しておいかける。
巷では戸崎騎手は重度の花粉症に悩まされ、春になると成績が下降するという説があるが、ここ4年の春の中山での勝利数は4→16→11→26勝。1年ごとに成績に波があり、花粉症(スギ花粉は1年おきに飛散量が変わる。表年、裏年ともいわれる)と関係ありそうだが、飛散量をみると、昨年もかなり多かった。ちなみに21年の飛散量は少なかった。花粉は前年夏の気候との相関関係が強く、猛烈な暑さだった23年をうけた24年の花粉は多かった。ところが戸崎騎手は昨年26勝。皐月賞まで勝った。花粉症は考えなくていいのではないか。
そもそも戸崎騎手には開催週ごとに固め打ちする無双モードが存在する。東京最終週2月22、23日は6勝をあげ、一気にリーディング順位をあげた。サウジと重なった週であり、有力騎手が留守にするといった事情もあるが、そういうシチュエーションを戸崎騎手は逃さない。前週は土日1勝、その前も1勝、開幕週は0勝だった。ところがその前の中山最終週はAJCCダノンデサイルを含め土日6勝と大暴れ。この突如やってくる無双モードは川田将雅騎手にもみられる。
戸崎騎手の特徴は土日で好調がつづくところ。これは馬場読みと関係していそうだ。基本は馬任せな騎乗スタイルだが、そこは元大井のリーディングジョッキー。ダートでも開催ごとにクセがある地方競馬では中央以上に馬場をつかむことは大切で、大井で養った感覚が発揮しているのではないか。午前中に立て続けに好走したときなどは、無双モード発動のサイン。早めに察知して戸崎騎手の固め打ちに乗っかろう。