HOME » コラム » 競馬の基礎知識 » 【芦毛馬獲得賞金トップテン】「芦毛馬は走らない」。常識を覆した名馬たちの中で最も賞金を稼いだのは? » ページ 10
GoldShip
ゴールドシップ

1位 ゴールドシップ(13億9,776万)

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性別:牡馬
戦績:28戦13勝 [13-3-2-10]
主な勝ち鞍:2012年皐月賞(G1)、2012年菊花賞(G1)、2012年有馬記念(G1)、13、14年宝塚記念(G1)、2015年天皇賞・春(G1)
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 歴代の芦毛獲得賞金ランキングで堂々の1位に輝いたのは、“不沈の黄金船”ゴールドシップである。気性難の印象が強いゴールドシップだが、ゲート難や道中なかなか進んでいかないズブさを見せ始めたのは、古馬となった4歳の秋、京都大賞典あたりからだった。

 4歳の秋まで主戦だった内田博幸騎手と息の合ったコンビで、12年の皐月賞や菊花賞、さらには古馬と初対戦となった有馬記念を制した。G1を3勝する大暴れで、3歳時だけでも約6億円を稼ぎ出した。

 翌年になっても、春は阪神大賞典や宝塚記念で快勝し、順調に賞金を上積みしていった。そして、ゴルシの第二章ともいえる秋を迎えた。京都大賞典と次のジャパンCで見せ場なく敗れると、陣営は鞍上を変更する決断に至った。

これが奏功したのか、阪神大賞典3連覇、宝塚記念連覇、そして6歳での天皇賞(春)制覇と、ポテンシャルの高さを存分に示した。

 結局、気性難は最後まで収まらなかったが、引退レースとなった15年の有馬記念では全盛期の再現を願い、内田博幸騎手とのコンビで最後の戦いに臨んだ。積極的に仕掛けて捲り進出、早めに先頭集団に迫ったが、往年の末脚は持続することなく8着に敗れた。

 G1・6勝、生涯獲得賞金14億円弱の実績は毛色関係なく全体でも堂々7位に入る。しかし破天荒な性格と、雄大にして白い芦毛の馬体の見た目とも重なり、憎めない愛されキャラとして、現在でも「ゴルシ」の愛称でファンに親しまれている。

【了】

(文●TOM

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