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【シルクロードS 有力馬診断】スピード自慢の競演!快速馬たちのなかでも評価すべきなのは?

2月2日、京都競馬場にて行われるG3シルクロードSに向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、シルクロードSの行方を占う。

PuroMagic
第7回葵Sを制した時のピューロマジック(写真左)

◎候補馬(軸候補)

ウインカーネリアン
東京新聞杯でナミュールを下すなど、マイル路線で活躍した実績馬。しかし、昨年の東京新聞杯以降は徐々にパフォーマンスが下降気味。スプリント路線へと転向し、前走の京阪杯では単騎逃げの展開を活かし2着と好走した。ただし、直線で後続に迫られた際の二枚腰が利かなくなってきている点は気がかり。それでも、今回のシルクロードステークスのメンバー構成を考えれば、京阪杯上位馬が中心視されるレースになりやすく、引き続き好走の可能性は高い。

カピリナ
3勝クラスを連勝し、南総ステークスでは後続を完封。最内枠からの発走ながらも、序盤で外へ持ち出し、馬群の中で脚を溜める競馬ができた点は大きな収穫。3,4コーナーで徐々に進出し、直線でしっかり加速して突き抜けるレースぶりは優秀で、時計面でも1:07.1と水準以上のタイムを記録。シルクロードステークスでは大幅なメンバー強化となるが、底を見せておらず、オープンクラスでも十分に通用する可能性が高い。

セントメモリーズ
奥多摩ステークスを制し、オープンクラスまで3連勝。前走はSペースの流れを4番手で楽に追走し、ゴール前の接戦を制したものの、そろそろ上積みが限界に近い可能性も。一方で、スプリント戦よりもレベルの高い1400m戦で結果を残してきた点は評価できる。1400mでの実績を活かし、距離短縮でスピードを活かせれば一発の可能性もある。

ソンシ
前走の淀短距離ステークスでは、楽な手応えで先行し、直線でも余裕を持ったまま突き抜ける完勝劇。まだ底を見せていない点が魅力的。一方で、前々走のタンザナイトステークスでは、7枠スタートだったため、川田騎手が手綱を引っ張って無理にポジションを下げた結果の敗戦。力負けではなく度外視できる内容だったとはいえ、絶対的な能力があるかどうかは未知数。また、スロー寄りのレースしか経験しておらず、スピード自慢が集結したシルクロードステークスでは戸惑ってまったく競馬にならない可能性はある。能力的には十分通用するが、人気が過剰になるようなら思い切った割り切りも視野に入る。

ピューロマジック
スタート直後から圧倒的なダッシュ力を誇り、テンの200mで11秒台前半を刻める現役トップクラスの快速馬。夏の北九州記念では、このダッシュ力を活かしてそのまま押し切り勝ちを決めた。今回も、馬場状態や隊列次第で再度押し切る可能性は十分あるが、スピード頼みのキャラクターのため、隊列やトラックバイアスの影響を受けやすい。枠順や馬場傾向によって評価が大きく変動するタイプで、当日の状況次第では最終的な評価が変わる可能性が高い。

△候補馬

エイシンフェンサー
前走のカーバンクルステークスでオープンクラス初勝利を飾ったが、メンバーのレベルを考えると高い評価は不要。レース内容的にも、7枠から絶好の位置を確保してスムーズな競馬ができたことが好走の要因で、展開やバイアスに恵まれた形だった。今回はメンバーが大幅に強化されるため、通用するかどうかは微妙なライン。好走しても3着までの可能性が高い。

クファシル
前走の3勝クラスはメンバーが手薄で、少頭数のレースを外目から楽に運び、そのまま押し切る展開に持ち込んでの勝利だった。今回は相手関係が大幅に強化されるため、シルクロードステークスでは厳しい戦いが予想される。展開や馬場が極端に向くようであれば、押さえる程度の評価が妥当。

メイショウソラフネ
タンザナイトステークスで、後に淀短距離ステークスを楽勝するソンシを破った。ただし、レース内容を精査すると、メイショウソラフネは先行有利の展開を最大限に活かし、スローペースの流れに恵まれた側面が強い。そのため、単純に「ソンシを破ったから評価を上げる」というのは早計。オープン特別クラスでは安定しているが、重賞レベルとなると決め手に欠ける。

ペアポルックス
ラピスラズリステークスを逃げ切り勝ち。メンバーのレベルは標準的なオープン特別クラスで、展開的にも楽に単騎逃げができたことが大きな要因だった。また、ラピスラズリステークスでは二の脚の速さを活かしてハナを奪ったが、今回のシルクロードステークスはピューロマジックなど同型馬が多く、楽に逃げられる保証はない。そのため、展開が向かなければ厳しいレースになる可能性が高い。

【了】

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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

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