【ジャパンC 有力馬診断】現役最強クラスのドウデュース、スターズオンアースに続くのは?
11月24日、東京競馬場にて行われるG1ジャパンカップに向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、ジャパンカップの行方を占う。

◎候補馬(軸候補)
ドウデュース
現役最強クラスの実力を誇り、MI値90pt以上という評価を持つ数少ない馬の1頭だ。昨年の有馬記念では、オールカマーを制したタイトルホルダーやスターズオンアースを外から軽くなで斬り完勝だった。今年の天皇賞(秋)では、最後方から直線までジッと控えて、異次元の末脚を発揮し圧勝した。能力全開なら、現時点で対抗できるのはスターズオンアースくらいしかいないのではないか。
スターズオンアース
現役でMI値90pt以上の評価を受ける3頭のうちの1頭。昨年のジャパンカップでは、イクイノックスを別格としながらも、リバティアイランドと互角の勝負を演じた。今年の有馬記念では、好位につける絶好の競馬をしながら、ドウデュースに外からマクられ敗れたものの、戦績は1勝1敗で、展開のアヤを含めれば能力的にはほぼ互角といえる。東京コース適性は高く、展開次第では逆転の可能性も十分にある。
ジャスティンパレス
天皇賞(秋)や有馬記念で安定した末脚を見せており、堅実さが魅力の一頭だ。トップクラスのドウデュースやスターズオンアースにはやや見劣りするが、枠順や進路取り次第では逆転のチャンスもある。堅実な安定勢力として上位進出が期待される。
チェルヴィニア
オークス、秋華賞を制し、今年の3歳牝馬世代で2冠を達成した。秋華賞では、ステレンボッシュを直線で突き放す鋭い末脚を披露している。しかし、チェルヴィニアは、あくまでも世代のトップクラス。したがって、去年のリバティアイランドやかつてのアーモンドアイほどの信頼度はなく、人気を背負いすぎるようであれば、したがって、去年のリバティアイランドやかつてのアーモンドアイほどの信頼度はなく、人気を背負いすぎるようであれば、高い評価を控える必要があるかもしれない。
△候補馬
シュトルーヴェ
日経賞、目黒記念を連勝。別定G2を連勝する安定感と能力を持つが、ジャパンカップのような一線級揃いのレースでは見劣りする可能性が高い。ストレスの掛かる馬群でも力を発揮できる点は強み。能力水準的にはオールカマーを勝ったレーベンスティールと同等レベルとみる。展開次第では好走の可能性がある。
シンエンペラー
皐月賞、ダービーで好走し、凱旋門賞の前哨戦でも存在感を示した。ゴール前の末脚は堅実だが、加速力に欠ける点が課題で、速力に欠ける面がある。直線の勝負どころで置いていかれてからしぶとく伸ばしてくるのが長所だが、それ故に好走止まりのレースが多い。強力なメンバーが揃うジャパンカップでは展開に大きく左右されるだろう。
ソールオリエンス
皐月賞を制し、ダービー2着で世代トップクラスの実力を証明したが、その後は低迷。宝塚記念は不良馬場の適性差で好走した可能性もあるが、中山記念やセントライト記念では、ゴール前で堅実に末脚を伸ばしている。今年の天皇賞(秋)でも見せ場がなく敗れたが、展開が差し馬向きに流れれば、僅かながらチャンスはあるか。
ダノンベルーガ
MI値86ptを誇る関脇クラスの実力馬。昨年の天皇賞(秋)4着は評価できる内容だったが、今年の同レースでは精彩を欠いた。能力全開ならば2番手集団の一角として上位争いに絡む可能性がある。今年の天皇賞(秋)はまったく見せ場なく惨敗したが、巻き返しがあれば、能力的には好走可能な水準にある。
ドゥレッツァ
菊花賞を圧勝した実力馬だが、展開に大きく依存するタイプ。今年の金鯱賞や天皇賞(春)では実力を発揮できなかったが、単騎逃げなど恵まれた展開になれば、粘り込みに警戒が必要。
ブローザホーン
宝塚記念を制し、G1馬の仲間入りを果たした。華奢な馬体ながらも、ラスト200mを切る地点から、他馬がバテてきたタイミングで強襲する堅実な末脚が最大の特長だが、スピード勝負が求められるジャパンカップでは分が悪いか。
外国馬(オーギュストロダン、ゴリアット、ファンタスティックムーン)
特に注目されるのは、英愛ダービーを含むG1を6勝しているオーギュストロダンだろう。欧州でも屈指の実績を誇るが、日本の高速馬場への適性は未知数。ジャパンカップは、日本競馬の中距離路線はイクイノックスが抜けても世界トップクラスとされるため、外国馬が活躍するにはかなりハードルが高いのではないか。
【了】
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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。2024年10月に新著『競馬の教科書 秋G1特別増刊号』を刊行。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。
▼競馬の教科書シリーズ▼
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