【先週の新馬戦】シュヴァリエローズ、マテンロウスカイの弟と妹がデビュー勝ち! 西では砂の怪物爆誕か?
先週の中央競馬は、東京・京都・福島の3会場で行われ、新馬戦は10鞍行われた。
9日(土)の東京競馬場の2鞍では、シュヴァリエローズの半弟カザンラク、マテンロウスカイの半妹ルージュナリッシュがデビュー戦を勝利で飾った。京都競馬場では、ナルカミが同じ日の1勝クラスの同条件のレースよりも早いタイムで勝利する規格外の勝利で初陣を飾っている。その他の新馬戦を含めて全レースをダイジェストで紹介する。
11/9(土)
【東京】
5R 芝1800m
馬名:カザンラク(牡)
父:シルバーステート
母:ヴィアンローズ
母父:セーヴルロゼ
騎手:C.ルメール
厩舎:嘉藤貴行(美浦)
馬主:キャロットファーム
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:1.48.4(良)
好スタートから先頭へと立ち、道中は2頭並走の外という形で進んでいく。4角手前で単独先頭に替わると、上がり3Fを33秒8にまとめて逃げ切った。スローペースだったとはいえ、ゴールに向けて加速ラップでまとめており、ラスト1Fは11秒0。半兄に6歳で京都大賞典を制したシュヴァリエローズのいる血統で、成長力もありそうだ。
6R 芝1600m(牝)
馬名:ルージュナリッシュ(牝)
父:ドレフォン
母:レッドラヴィータ
母父:スペシャルウィーク
騎手:横山和生
厩舎:国枝栄(美浦)
馬主:東京ホースレーシング
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:1.35.0(良)
一番速いスタートから、スッとハナを切る。5Rとは違って極端なスローには落とさず、後続を3〜4馬身引き離す逃げを打つと、直線でも脚いろは衰えず、逃げ切り勝ちを収めた。中山記念を制しているマテンロウスカイが上にいる血統で、切れ味勝負というよりは長く良い脚を使うイメージ。特徴を上手く生かした横山和騎手の好騎乗も目立った。断然の1番人気に支持されたマイクインダムは7着。道中苦しい位置どりとなったのはあったが、直線でもあまり見せ場のない敗戦で、即一変は難しいか。
【京都】
4R ダ1800m
馬名:ナルカミ(牡)
父:サンダースノー
母:オムニプレゼンス
母父:ディープインパクト
騎手:坂井瑠星
厩舎:坂口智康(栗東)
馬主:ゴドルフィン
生産:ダーレージャパンファーム
勝ち時計:1.51.2(良)
一番速いスタートからハナを切ると、新馬戦にしては淀みのないペースで引っ張る。直線入り口では、4番手以降は既についてこれておらず、ついてきた2頭も直線で突き放しての圧勝劇。2着を2秒引き離す大差勝ちで、勝ち時計の1分51秒2は、同日の未勝利戦を4秒4、年長馬の1勝クラスすら0秒4上回る驚異的な時計。先週に引き続き、またもサンダースノー産駒がダートで勝ち上がり。500キロと馬格もあり、先々まで楽しみな馬が現れた。
5R 芝1600m
馬名:ミニトランザット(牡)
父:エピファネイア
母:イチオクノホシ
母父:ゼンノロブロイ
騎手:鮫島克駿
厩舎:杉山佳明(栗東)
馬主:谷掛龍夫
生産:社台ファーム
勝ち時計:1.35.5(良)
外枠の馬も行く構えを見せていたが、その内からハナを奪い切ると、直線ではそれをぴったりとマークした2着馬との一騎打ちに。最後まで並ばせない勝負根性を見せ、半馬身差振り切った。半馬身差でも差される感じはしない勝利で、3着馬はそこからさらに6馬身後ろであった。フェアリーSを勝利したイフェイオンの全弟にあたる血統馬で、まだまだ奥もありそうだ。人気を集めたアスクセクシーモアは最下位の14着。道中は良いポジションにつけながらの失速となったが、心房細動という報道もあり、立て直しての一変に期待だ。
【福島】
5R 芝2000m
馬名:ピリカサンライズ(牝)
父:サトノクラウン
母:ピリカ
母父:モンズーン
騎手:高杉吏麒
厩舎:牧浦充徳(栗東)
馬主:松岡隆雄
生産:社台ファーム
勝ち時計:2.04.7(良)
五分のスタートから、道中は好位の外めを追走。4角で逃げ馬が膨らんだことで外に弾かれる不利がありながらも、ゴール前で2着馬をハナ差捕えての勝利。上のクラスで活躍するにはまだ物足りない気もするが、不利を受けて勢いが鈍りながらも、再度伸びてきた内容は評価したい。
11/10(日)
【東京】
4R ダ1300m
馬名:ピコレッド(牡)
父:ヘニーヒューズ
母:シーイズチャンプ
母父:ダノンシャンティ
騎手:木幡巧也
厩舎:牧光二(美浦)
馬主:石部高史
生産:チャンピオンズファーム
勝ち時計:1.20.1(良)
スタート直後から押してポジションを取りに行き、2番手を確保。直線に入ると早めに先頭へと立ち、そこに並びかけてきた3着馬、ゴール前で猛追してきた2着馬を抑えて先着。このレースだけを見ると派手なパフォーマンスではなかったが、530キロを超える雄大な馬格で伸びしろはありそうだ。
5R 芝1600m
馬名:ティラトーレ(牝)
父:リアルスティール
母:エアシンフォニー
母父:ルーラーシップ
騎手:木幡巧也
厩舎:牧光二(美浦)
馬主:STレーシング
生産:社台ファーム
勝ち時計:1.35.8(良)
内から先手を主張した2着馬を行かせて、道中はぴったりとマークする2番手。直線では前に行った2頭の激しい追い比べとなり、先に手が動いた感じではあったが残り200mで競り落として3馬身差の快勝。木幡巧也騎手×牧厩舎のコンビは新馬戦連勝となった。半兄のオールセインツは中距離で3勝を挙げており、ゴールまでしぶとく伸びた自身のレースぶりからも、距離が延びても問題なさそうだ。
【京都】
4R ダ1400m(牝)
馬名:アスタールフナ(牝)
父:ジョーカプチーノ
母:アスターヒューモア
母父:モアザンレディ
騎手:岩田望来
厩舎:中竹和也(栗東)
馬主:加藤久枝
生産:スマイルファーム
勝ち時計:1.25.5(良)
芝スタートの出はあまり良くなかったが、そこからの二の脚が速く、一気に前へ。脚元がダートに変わる頃にはハナを奪うも、外から2着馬にぴったりとマークされる苦しい形となる。さらに直線では早めに前に出られるも、そこから勝負根性を見せて差し返し、最後は逆に1馬身の差をつけてみせた。兄弟はほとんどがダートの短距離を主戦場にしているが、あの芝部分のダッシュを見ると芝の短距離でも見てみたい印象は受けた。
5R 芝2000m
馬名:エコロディノス(牡)
父:キタサンブラック
母:ミスティックリップス
母父:ジェネラス
騎手:R.ムーア
厩舎:大久保龍志(栗東)
馬主:原村正紀
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:2.00.9(良)
大外枠から好スタートを決めると、序盤は若干かかり気味ながら2番手に収まって落ち着きを取り戻す。4角手前では持ったままで先頭へと立つと、外から追ってきた2着馬を最後は逆に3馬身半突き離す完勝。レースぶりもさることながら、特筆すべきはレースラップで、後半の5Fで全て11秒台を刻んでの勝利。高いスピード持久力を示しており、2歳の新馬戦でマークするのはかなりの衝撃。順調なら、来年のクラシック(特に菊花賞)候補となってきそうだ。
【福島】
6R ダ1700m
馬名:ヒットミー(牝)
父:シニスターミニスター
母:スリーアロー
母父:アルデバラン2
騎手:柴田善臣
厩舎:鹿戸雄一(美浦)
馬主:嶋田賢
生産:フジワラファーム
勝ち時計:1.47.6(良)
外枠ながら好ダッシュを決め、促している内枠の馬を抑えてハナを切る。後方の5頭を除いては一団の馬群で進むが、他馬が追っつけている4角でも手ごたえは十分。直線は後続を突き離す一方で、5馬身差の圧勝だった。勝ち時計も重馬場の先週とコンマ1秒差なら、先週の勝ち馬より評価は高い。ただ、ローカル開催でメンバーレベルには疑問が残り、次走が試金石となる。
【了】
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