“雪の妖精”スノーフェアリーの連覇や大波乱クィーンスプマンテなど【エリザベス女王杯名勝負 5選②】
前身のビクトリアカップから名前を変え、1976年に創設されて第1回が行われたエリザベス女王杯。元々は牝馬3冠の最終戦として、4歳(現3歳)限定で京都芝2400mを舞台に行われていた。しかし1996年に秋華賞が新設されたことに伴い、4歳以上の牝馬が出走できるように見直しが行われ、施行条件も京都芝2200mとなった。今では、3歳馬vs古馬の最強女王決定戦として注目の一戦となっている。そんなエリザベス女王杯の歴史から、10のレースをピックアップ。後半はその中から、21世紀に行われた5つのレースを紹介する。
⑥2002年(勝ち馬ファインモーション)
後半の最初に取り上げるのは、2002年のエリザベス女王杯。この年は、デビューから5戦5勝、無敗の3歳馬ファインモーションに注目が集まっていた。
ファインモーションは、2歳12月にデビュー。新馬戦を4馬身差で快勝するも、当時は外国産馬のためクラシックへの出走権はなかった。馬体の成長も兼ねて、放牧へと出されることとなる。
復帰はオークスも終わった3歳の8月。古馬相手に5馬身差の圧勝で復帰戦を飾ると、続く1000万下(現2勝クラス)特別も5馬身差の圧勝劇。秋華賞トライアルのローズSも快勝し、牝馬3冠の中で唯一出走資格のあった秋華賞へと駒を進める。
ここでも単勝1.1倍という断然の支持に応えて3馬身半差の快勝。デビューから無傷の5連勝で、エリザベス女王杯に出走していた。
古馬相手のG1でも、戦前からファインモーション一色のムード。単勝1.2倍という圧倒的な人気を集めて発走を迎えた。
レースは、秋華賞同様に3歳馬のユウキャラットがハナを切る展開。ファインモーションはスッと好位を確保する形となる。前半1000mの通過は60秒8と、ほぼ平均か若干緩めな流れ。
そのせいか、ファインモーションは道中口を割る仕草も見せていたが、武豊騎手が上手くなだめて折り合いをつけていた。そして4角手前で軽く促すと、先頭に並びかけて4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入ると、早くもファインモーションが先頭へと立つ。その後ろから、2番人気のダイヤモンドビコーもユウキャラットを交わして2番手へと上がるも、前との差は詰まらない。結局、直線入り口で広げた差をキープしたファインモーションが、2馬身半の差をつけて勝利。
史上初となる、無敗での古馬G1制覇という偉業を成し遂げた。2着のダイヤモンドビコーから1馬身半離れた3着には、中団追走から外を伸びたレディパステルが入った。
勝ったファインモーションはその後、勢いそのままに有馬記念に挑戦。シンボリクリスエスやジャングルポケット、ナリタトップロードなどを抑えて、なんと1番人気に支持された。
結果は5着に敗れ、デビューからの連勝は6でストップしたが、規格外のスケールを誇る3歳牝馬にファンの期待が集まっていたことを示す、有馬記念での1番人気であった。