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【先週の新馬戦】上がり32秒9の豪脚を披露したレイニングやヒンドゥタイムズの半弟などが新馬勝ち!

text by 中西友馬

Reigning レイニング(戸崎圭太)[/caption]

 先週の中央競馬は、東京・京都・福島の3会場で行われ、新馬戦は10鞍行われた。

 米ブリーダーズカップが開催され、有力な騎手が不在のなか戸崎圭太騎手が東京での新馬戦4鞍中3鞍で勝ち星を挙げる活躍を見せた。その他の新馬戦を含めて全レースをダイジェストで紹介する。

11/3(土)
【東京】

5R 芝2000m
馬名:アロヒアリイ(牡)
父:ドゥラメンテ 母:エスポワール 母父:オルフェーヴル
騎手:戸崎圭太
厩舎:田中博康(美浦)
馬主:鈴木剛史
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:2.02.1(稍)
最内枠から好位のポジションを確保。前半1000mの通過は62秒5と、新馬戦でやや渋った馬場を考えると淀みのないペースで進む。
直線で先行勢の外へと持ち出すと、少し反応の鈍さを見せたものの、残り200m辺りでエンジンがかかってからは力強い伸び。最後は2着馬に2馬身半の差をつける、危なげない勝利であった。
母は4勝を挙げてG1にも出走したエスポワールという、筋の通った血統馬で、まだまだ奥がありそうだ。

6R ダ1600m
馬名:ボルトテソーロ(牡)
父:サンダースノー 母:カメリアローズII 母父:Oratorio
騎手:松山弘平
厩舎:栗田徹(美浦)
馬主:了徳寺健二ホールディングス
生産:パカパカファーム
勝ち時計:1.39.4(重)
スタートは五分ながら、逃げようと思えばハナも奪える行きっぷりの良さ。ひとつ内の2着馬を行かせて2番手につけると、直線は一騎打ちムード。最後は外からねじ伏せるように前へと出て、長い追い比べに決着をつけた。
結果的には前に行った3頭による決着で、展開に恵まれた面は否めない。しかし軽い馬場でスローペースだったとはいえ、上がり3Fの35秒6はかなり優秀で次戦も楽しみだ。

【京都】
5R ダ1400m
馬名:ストップヤーニング(牡)
父:サンダースノー 母:アルトゥーナ 母父:ハーツクライ
騎手:長岡禎仁
厩舎:羽月友彦(栗東)
馬主:酒井孝敏
生産:山田政宏
勝ち時計:1.24.7(不)
スタートは特に速くなかったが、脚元がダートに変わってから行き脚がついて、前の5頭を追う第2集団からの競馬。直線に入った時にはまだ先頭と差があったが、そこからグイグイ伸びてまとめて差し切り、逆に2馬身半の差をつけてみせた。
34.9-37.8という前傾の流れに助けられた面はあるが、ダートではなかなか見られない豪快な差し切り勝ち。ボルトテソーロ同様に父サンダースノーで、産駒は軽いダートへの適性が高そうだ。

6R 芝1600m(牝)
馬名:サウンドサンライズ(牝)
父:モーリス 母:マハーバーラタ 母父:ディープインパクト
騎手:浜中俊
厩舎:音無秀孝(栗東)
馬主:ライフハウス
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:1.36.9(重)
ゲートの出はあまり良くなかったが、すぐに巻き返して好位のインコースを確保。早めに鞍上の手は動いていたが、直線で逃げ馬の外へと持ち出されるとしぶとく伸びて後続の追い上げも振り切った。
400キロほどの小柄な牝馬ながら、力のいる馬場を苦にしない力強い走り。重馬場の小倉大賞典を制した、半兄ヒンドゥタイムズを彷彿とさせる勝利であった。

【福島】
5R 芝1200m
馬名:クロユキ(牝)
父:モーリス 母:チカリータ 母父:クロフネ
騎手:高杉吏麒
厩舎:松永幹夫(栗東)
馬主:インゼルレーシング
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:1.10.9(稍)
ゲートの出は良かったが、外の行きたい馬を行かせて好位のインコースへと収まる。4角手前で早めに動いてきた馬たちの影響でポジションを下げるが、内でじっくりと我慢。直線では、逃げ馬のさらに内となるラチ沿いを抜けて、2馬身半差の快勝であった。
開幕週ながら雨の影響で馬場が重く、時計の比較は難しいコンディション。ただ、ゲートセンスやラチ沿いをこじ開ける勝負根性は評価できる。

11/4(日)
【東京】

4R 芝1400m
馬名:カラヴァジェスティ(牡)
父:カラヴァッジオ 母:トナフトゥ 母父:Sir Prancealot
騎手:戸崎圭太
厩舎:奥村武(美浦)
馬主:サンデーレーシング
生産:Shadai Corporation
勝ち時計:1.23.7(良)
大外枠から促してポジションを取りに行くも、中団後方寄りの位置どり。直線は馬群の一番外へと出されると、先に抜け出した2着馬をきっちり捕え切っての勝利。37.1-33.9という先行勢有利の流れを、大外を回って上がり33秒3の脚を使って差し切ってみせた。
アメリカ産馬でダート血統との見方もあるが、同じ父のアグリは芝で重賞制覇。JRAでは2頭目の勝ち上がりとなったこの馬が、どのような路線に進むか注目だ。

5R 芝1800m
馬名:レイニング(牡)
父:サートゥルナーリア 母:クルミナル 母父:ディープインパクト
騎手:戸崎圭太
厩舎:国枝栄(美浦)
馬主:キャロットファーム
生産:ノーザンファーム
勝ち時計:1.50.3(良)
ゲートの出はあまり速くなく、後方からの競馬。前半1000mの通過が64秒2という新馬らしい緩い流れの後方3番手となったが、直線で外へと持ち出されると余裕を持って差し切った。
着差は1馬身だったが、戸崎騎手も目いっぱい追った感じのない中で、上がり32秒9の豪脚。
母クルミナルは桜花賞2着、オークス3着の実績馬で、重賞で2着4回のククナを筆頭とした産駒は軒並み切れ者。この一族らしい勝ち方で、先々まで楽しみな素質馬が現れた。

【京都】
4R 芝1200m
馬名:インブロリオ(牝)
父:アドマイヤムーン 母:プリディカメント 母父:ハードスパン
騎手:M.デムーロ
厩舎:吉村圭司(栗東)
馬主:ゴドルフィン
生産:ダーレー・ジャパン・ファーム
勝ち時計:1.10.4(稍)
大外枠から一番速いスタートを決めて、3番手の外を追走。直線は、2番手から同じく抜け出しを図る2着馬との追い比べとなるが、残り150mあたりでこれを競り落としての勝利。
短距離戦線でOPまで勝ち上がった、母プリディカメント譲りのスピードを存分に発揮してみせた。
ただ、スタート直後と入線直後にササる面を見せるなど、まだ粗削りで気性面の幼さも覗かせており、今後はそのあたりの成長もカギとなってくる。

5R 芝1800m
馬名:ウォータークラーク(牡)
父:ウォータービルド 母:クリアーパッション 母父:キングヘイロー
騎手:田口貫太
厩舎:石橋守(栗東)
勝ち時計:1.48.3(稍)
五分のスタートを切り、スッと2番手につける。直線の横に広がった追い比べでは、外から上がってきた2着馬のほうが勢いで勝っているように見えたが、最後まで並ばせない勝負根性を見せて振り切った。
父ウォータービルドの初年度産駒は6頭で、JRAに登録されているのは3頭のみ。この馬が嬉しい産駒初勝利となった。
人気を集めた、レシステンシアの半妹エスタンシアは5着。直線でもフワフワとした走りで、まだ競馬が分かっていない印象。今後の成長に期待して、長い目で見ていきたい。

【福島】
6R ダ1700m
馬名:シーソーゲーム(牡)
父:Daaher 母:Bear Now 母父:Tiznow
騎手:菊沢一樹
厩舎:小笠倫弘(美浦)
馬主:保坂和孝
生産:Chrislin LLC
勝ち時計:1.47.5(重)
五分のスタートから、スッと2番手へとつける。4角手前で2着馬が早めに動いてくると、それに合わせるように発進。一旦は前に出られたように見えたが、内から盛り返し気味に前に出て、追い比べを制した。
稽古ではあまり目立つ動きではなかったため6番人気と伏兵評価であったが、実戦で良さが出ての勝利。
上のクラスで活躍するにはもう少し成長が欲しい気はするが、アメリカ産馬らしく今回のような軽いダートなら再び好走の可能性も。

【了】

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