【GⅠトレンドハンター スプリンターズS】これがトレンド!近年の傾向に適している馬とは…?
重賞レースのデータ分析では過去10年が一般的だが、競馬のサイクルは短く、10年前の結果は現在と大きく異なることも多い。近年はローテーションも変化し、GⅠ戦線のトレンドが進化している。今回は、“秋のスプリント王決定戦”スプリンターズSの傾向を、GⅠトレンドハンターである勝木淳氏が考察する。
中山1200は、ラスト200mで失速するのが基本
10年ひと昔。そんな言葉があるように、今年のレースを分析するなら、直近5年のトレンドをつかまなければならない。あえてこの5年という短いスパンに光を当て、今年のレースを予想するGⅠトレンドハンター。この秋も各GⅠのトレンドをつかんでいく。
春秋スプリント王決定戦はコースの違いが鮮明だ。たとえば高松宮記念のあとに京王杯SCに出走した馬は今年のママコチャ、トウシンマカオがワンツー決めるなど延長と相性がいい。
だが、スプリンターズS経由のスワンSは1400m巧者のダイアトニックが勝った程度。距離延長がつながらない。これは超ハイペースのスピード比べになりやすいスプリンターズSのコース形状が関係する。
中山芝1200mは2コーナー出口からスタートし、4コーナーまで丘を一気に駆け下り、最後に急坂を越えていく。明らかに前半が速くなる構造であり、ハイペースは日常のこと。
スローは滅多になく、イーブンペースすら珍しい。ついついスピードが上がる前半と最後の急坂によって、ラスト200mで失速するのが基本。スプリンターズSも例外ではない。
開催年 | 前半600m | 後半600m | 決着時計 | 1着馬(通過順) |
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2020年 (良) |
32.8 11.9-10.1–10.8 |
35.5 11.5-11.9-12.1 |
1.08.3 落差+2.7 |
グランアレグリア(15-15) |
2021年 (良) |
33.3 11.7-10.6-11.0 |
33.8 11.1-11.3-11.4 |
1.07.1 落差+0.5 |
ピクシーナイト(3-2) |
2022年 (良) |
32.7 11.9-10.1–10.7 |
35.1 11.4-11.4-12.3 |
1.07.8 落差+2.4 |
ジャンダルム(3-2) |
2023年 (良) |
33.3 11.7-10.4-11.2 |
34.7 11.2-11.2-12.3 |
1.08.0 落差+1.4 |
ママコチャ(3-2) |
2024年 (良) |
32.1 11.8-9.9–10.4 |
34.9 11.0-11.6-12.3 |
1.07.0 落差+2.8 |
ルガル(3-3) |
グランアレグリアが追い込みを決めた2020年やジャンダルム、ルガルが人気薄で勝利した年は後半が2秒以上も遅かった。これら3回は2、3ハロン目が10秒台(24年は9.9)と400mを20秒台で突っ込んだ。
前半の上昇と後半の失速がスプリンターズSのパターンだ。適性で分類するなら、ハイペース耐性。先行、差しともハイペース実績がカギとなる。
■枠順
夏季に更新作業をじっくりできる秋の中山は馬場のお正月とも。野芝のみで行われ、開催も4週間と短く、開催中の雨さえなければ、パンパンの馬場で最終週を迎える。今年も馬場は絶好。Cコース施行のスプリンターズSは枠番競馬でもある。
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1~4枠3-3-4-30
5~8枠2-2-1-35
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5枠から外のうち逃げ0-0-0-3 先行1-2-0-6 差し0-0-0-8 追い込み1-0-1-18と外枠は先行してインに入る形でないと苦しい。