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メイショウタバルが得意の馬場で逃げ切り! 菊への切符を獲得【神戸新聞杯結果分析】

text by TOM
Meisho Tabaru
第72回神戸新聞杯を制したメイショウタバル

 

 22日に中京競馬場で行われたの神戸新聞杯は、2番人気のメイショウタバル(牡3歳、栗東・石橋守厩舎)が初の左回りを克服しての勝利となった。毎日杯に次ぐ重賞2勝目を手にし、菊花賞への優先出走権を獲得した。

 中京2200mで行われた今年の菊花賞トライアルは、武豊が騎乗予定だった有力馬の一角のサブマリーナが出走を取消して、14頭立てで争われた。馬場は稍重となり、パワーが必要とされるタフなレースとなったが、メイショウタバルはマイペースで運んだときの強さが際立った。

 春は毎日杯を制しながら、皐月賞では最下位となる17着、続く日本ダービーでは出走取消と、不本意な結果に終わってしまった。仕切り直しとなった秋初戦は、京都新聞杯を勝ったジューンテイクやきさらぎ賞Vのビザンチンドリームら春の実績馬に加え、夏に力をつけた新興勢力のメリオーレムが1番人気に支持されたレースとなった。

 レース後に鞍上の浜中俊騎手は、「(重馬場の)毎日杯でもきょうと似たような馬場状態で、強い競馬をしていましたので、この馬はきょうのような馬場は得意だと思っていました」と、自信をもってレースに臨んでいた。行く気をみせる馬が数頭いたなか、メイショウタバルは、浜中騎手が「馬の気分に任せて1コーナーに入りたいと思っていたので、レース前からハナにこだわっていたわけではなかった」と話したように、大外枠からスタートすると、馬なりのままジワリ先頭に立って最初のコーナーを回った。

 浜中騎手は「道中は強く抑え過ぎても折り合いを欠いてしまうので、スピード上げ過ぎず。かといって緩め過ぎずというか、とにかく馬のコンタクトを優先してペースを気にせず乗っていました」と回顧した。その言葉どおり、前半1000mを1分ジャストの絶妙なペースで通過した。気分よく走ったメイショウタバルは、第3コーナーの手前では後続との差を5、6馬身ほどに広げていた。

 結局、直線残り200m地点でも追い上げるジューンテイクとの差を4馬身ほどに保っていた時点で勝負あり。強く追われなかったこともあり、最後の1ハロンで12秒5を要し、ゴール直前で半馬身差まで詰め寄られた。しかし「こういう形になればしぶといタイプ。しっかりと押し切ってくれました」と浜中騎手は勝ちっぷりを評価した。

 次走には有力のクラシック最終戦の大一番に向けて、視界良好のメイショウタバルについて浜中騎手は「少し間隔をあけて、馬の精神的な部分がフレッシュになって、ちょっとずつでしょうけれども、大人になってきたのかな」と成長を感じとっている。「いい形で本番に迎えればと思っています」と長距離適性のあるゴールドシップ産駒に期待を込めた。

 主役の1頭として迎えることになりそうな菊花賞は、直線で急坂のない京都競馬場で行われる。日本ダービーVから直行予定のダノンデサイルや、セントライト記念を勝ったアーバンシック、2着のコスモキュランダらが当面のライバルとなりそうで、相手は当然、強くなる。鍵となるのは今回のように「気分良く行けること」になりそうだ。そして雨が降るなどでタフな馬場コンディションを味方につけたいところではあるが、こればかりは運が必要になってくる。

 セントライト記念もそうであったが、神戸新聞杯では、春の勢力図を塗り替えるほどの馬が出てこなかったという結果に終わった。そのなかでも、上々の末脚で2着に突っ込んだジューンテイクは春の実績馬ではあるが、成長分込みのプラス12kgの馬体重が示すように、叩いての上積みが見込めそうだ。3着に入り菊花賞の優先出走権を得たショウナンラプンタに関しても、本番に向けた仕上げだった模様で、こちらも巻き返しが期待できる。重賞初挑戦ながら人気を背負ったメリオーレムは、重い馬場に脚をとられながら直線、外からいい脚で追い込み5着に入り、今後に期待を持たせる内容であった。

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