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モーリス ~4歳で覚醒した最強マイラー。日本と香港を制した絶対王者【レジェンドホース名鑑】

text by 中西友馬
2016年天皇賞(秋)を制したモーリス
2016年天皇賞(秋)を制したモーリス

数々の名牝が歴史を彩ってきた日本競馬。「レジェンドホース名鑑」では、ファンの記憶に残る名馬たちを紹介する。今回取り上げるのは、モーリス。4歳時に本格化すると、4連勝で安田記念を制覇。その勢いはとどまることなく、国内外でGⅠ6勝を達成した。マイルから2000メートル戦線で一時代を築いた名馬の輝かしい軌跡を振り返る。

モーリス(Maurice)

プロフィール

性別 牡馬
スクリーンヒーロー
メジロフランシス
生年月日 2011年3月2日
馬主 吉田和美
調教師 吉田直弘→堀宣行
生産牧場 戸川牧場
通算成績 18戦11勝【11-2-1-4】
獲得賞金 5億3624万円
主な勝ち鞍 天皇賞(秋)(2016年)
香港カップ(2016年)
香港マイル(2015年)
受賞歴 年度代表馬(2015年)
最優秀短距離馬(2015年)
特別賞(2016年)
産駒成績 産駒デビュー年:2020年
通算重賞勝利数:23勝
通算G1勝利数:4勝
代表産駒 ジャックドール(2023年大阪杯)
ジェラルディーナ(2022年エリザベス女王杯)
ピクシーナイト(2021年スプリンターズS)

〜栗東から美浦へ 日本から世界へ〜

 モーリスは、2013年10月に京都競馬場でデビューした。ジャパンカップを制したスクリーンヒーローの初年度産駒で、母メジロフランシスは現役時代は未勝利馬であった。レースは好位から抜け出して3馬身差の快勝。2歳コースレコードを更新する、好時計での勝利であった。

 2戦目は京王杯2歳Sに挑戦。初戦のパフォーマンスが評価されて1番人気に推されたが、スタートで大きくアオってしまい、上がり最速の脚で追い込むも6着までが精一杯であった。続く自己条件の万両賞を勝利して、2歳シーズンを終えた。

 年が明けて3歳となったモーリスは再び重賞に挑戦するも、シンザン記念5着、スプリングS4着、京都新聞杯7着と、なかなか結果が出なかった。続くOP特別の白百合Sで3着になったのを最後に、休養に入ることとなった。

 復帰は年が明けて4歳となってからで、美浦の堀厩舎に転厩して迎えた。1000万下からの再出発となるが、復帰戦の若潮賞を3馬身差で快勝。続く1600万下のスピカSでは、4角最後方から直線だけで全馬をごぼう抜きして、OP入りを決める。

 そして再度の重賞挑戦となったダービー卿CTでも鮮やかな追い込みを決め、重賞初制覇を果たした。

 勢いそのままにG1の安田記念に挑戦すると、ここ2戦の戦法とは違い、好位を追走。直線で早めに抜け出すと、後続の追い上げをしのいでG1初制覇を飾った。

 夏を経て、秋は前哨戦を使わずマイルCSに直行。そのローテーションが不安視されて4番人気に甘んじていたが、もつれる2着争いを尻目に快勝。春秋マイルG1制覇を果たした。

 日本マイル界を統一したモーリスは、次走で初の海外遠征を敢行。その香港マイルでもモーリスの勢いは止まらず、海外の強豪相手に勝利を収めて4歳シーズンを終えた。

 2015年は、年間無敗の6戦6勝でG1を3勝。クラシックディスタンスを主戦場にする馬が獲得することが多い年度代表馬を、マイル戦を主戦場にしながら受賞するという快挙を達成した。

 年が明けて5歳となったモーリスは、香港のチャンピオンズマイルから始動した。ここでも1番人気に応えて快勝し、連勝を7に伸ばした。

 帰国後、連覇を狙った安田記念でロゴタイプの逃げ切りを許し、連勝が7で止まったモーリス陣営は、中距離路線への転向を考えて札幌記念に出走した。同じ堀厩舎のネオリアリズムに逃げ切りを許す結果となったが、2着となった。

 続く天皇賞(秋)では、好位から早めに抜け出すと、後続の追い上げをしのいで勝利。マイルと中距離の2階級制覇を果たした。

 そして引退レースとなる香港遠征は、前年勝利した香港マイルではなく、香港カップに出走を決める。断然人気に応えて3馬身差の快勝を収め、有終の美を飾った。年が明けて1月15日の全レース終了後、中山競馬場で引退式が行われ、ターフに別れを告げた。

 引退後は種牡馬生活がスタートし、初年度産駒からG1馬を3頭輩出する。日本だけでなく豪州でも種付けを行っており、現役時代同様にワールドワイドな活躍を見せている。

【了】
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【文:中西友馬】