ドゥラメンテ 〜荒々しく豪快な末脚でファンを沸かせた、早世が悔やまれる幻の三冠馬〜
ドゥラメンテ(Duramente)
皐月賞・日本ダービー制覇で頂点に立つも、怪我により3冠を逃した悲運の天才馬。種牡馬としてタイトルホルダーら6頭のG1馬を輩出し、さらなる活躍が期待されていたが9歳で早世。死後にリーディングサイアーを獲得。キングカメハメハ産駒が残した短くも濃密な伝説を振り返る。
プロフィール
性別 | 牡馬 | |
父 | キングカメハメハ | |
母 | アドマイヤグルーヴ | |
生年月日 | 2012年3月22日 | |
馬主 | サンデーレーシング | |
調教師 | 堀宣行 | |
生産牧場 | ノーザンファーム | |
通算成績 | 9戦5勝【5-4-0-0】 | |
獲得賞金 | 5億1660万円 | |
主な勝ち鞍 |
東京優駿(2015年) 皐月賞(2015年) |
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受賞歴 | 最優秀3歳牡馬(2015年) | |
産駒成績 | 産駒デビュー年:2020年 | |
通算重賞勝利数:25勝 | ||
通算G1勝利数:12勝 | ||
代表産駒 | タイトルホルダー(2022年天皇賞(春)) リバティアイランド(2023年牝馬3冠) スターズオンアース(2022年優駿牝馬) |
父としても成功を収めた幻の3冠馬
ドゥラメンテは、2014年10月に東京競馬場でデビューした。父はダービー馬キングカメハメハ、母はエリザベス女王杯を連覇したアドマイヤグルーヴという、超良血馬であった。1.4倍という圧倒的な支持を受けたレースは、出遅れた上に外々を回る形となってしまう。前に壁を作れない競馬となり、折り合いを欠いて伸び切れずに2着に敗れた。
2戦目の未勝利戦では単勝1.2倍の支持に6馬身差の圧勝で応えて初勝利を飾る。年が明けて3歳となったドゥラメンテは、セントポーリア賞も5馬身差の圧勝で突破し、OP入り。
出世レースの共同通信杯で重賞初挑戦するも、再び悪癖が顔を覗かせる。好発を切って好位に収まったかに思えたが、終始頭を上げて行きたがる素振り。直線で外に出して一旦先頭に立つも、道中スタミナをロスしたことが響き、リアルスティールに内をすくわれての2着。ここを勝って、牡馬3冠第1戦の皐月賞に直行という青写真は崩れたかに思えたが、ドゥラメンテ陣営はイチかバチか皐月賞直行の選択をする。例年通りならば皐月賞出走は難しい獲得賞金であったが、フルゲートに満たないという幸運に助けられ、皐月賞出走を果たす。
その皐月賞では、直線で外に持ち出すときに大きく膨れてしまうロスがありながら、先に抜け出したリアルスティールを差し切っての勝利。初コンビとなったデムーロ騎手は開催4日間の騎乗停止となったが、レースはそのまま確定した。
そして迎えた牡馬3冠第2戦となる東京優駿(ダービー)。中団からレースを進めると、残り300mで先頭に立って押し切ってみせた。勝ちタイムの2分23秒2は、ダービーのレースレコード更新というおまけつきであった。史上8頭目となる牡馬3冠が期待されたが、放牧中に骨折が発覚。長期離脱となってしまい、3冠のかかる菊花賞には挑戦できなかった。
ターフに戻ってきたのは、年が明けて4歳となった中山記念。ダービー以来、実に9ヶ月ぶりのレースもものともせず、好位から抜け出して勝利。復帰戦を見事に飾った。その後は、初の海外遠征となるドバイシーマクラシックに出走し、2着となった。
帰国したドゥラメンテは、宝塚記念に出走。同世代の菊花賞馬、キタサンブラックとダービー以来の対決に注目が集まったが、伏兵評価であったマリアライトを捉えきれずに2着となった。
その後、秋は日本馬の悲願である凱旋門賞への挑戦も選択肢に入っていたが、靭帯や腱の損傷によって競走能力を喪失。電撃引退となった。
引退後は種牡馬入りを果たすと、初年度産駒からG1を3勝するタイトルホルダーを輩出するなど大活躍。2021年に9歳という若さで天国に旅立ってしまったため産駒は5世代のみだが、その中から2023年末までに、6頭ものG1馬を産み出している。死去後の2023年にはディープインパクトが長らく守ってきたリーディングサイアーの座を獲得。早逝が惜しまれる名馬であった。
(文●中西友馬)