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【大阪杯走破タイムトップテン】伝統の古馬中距離戦で最も速く駆け抜けたのは?

text by 目白明

1957年に創設された大阪杯。長らく春の古馬GⅠ戦線へのステップレースとして位置づけられていたが、2017年のGⅠ昇格を機に、その注目度はさらに高まった。そんな伝統の古馬中距離重賞を最も速く走破したのはどの馬なのか。ランキング形式でじっくりと振り返っていく。

TMEncore
第54回産経大阪杯を制した時のテイエムアンコール

10位: 2010年 テイエムアンコール(タイム:1分59秒5 天候:晴 馬場:良)

 第10位は、2010年にテイエムアンコールが記録した1分59秒5だった。

 この年は、春秋グランプリ制覇など実績豊富なドリームジャーニーが、単勝オッズ1.2倍の断然の1番人気に推された。春の目標である天皇賞(春)や宝塚記念でのグランプリ3連覇へ向けて負けられない一戦だったが、苦汁をなめる結果に終わった。

 スタート後、ショウナンライジンがハナを切ると、前走の中山記念では12番人気ながら追い込んで2着に入ったテイエムアンコールが、今回は前目の競馬を選択し、3、4番手につけた。注目のドリームジャーニーはいつも通り後方から脚を溜めた。

 前半1000m60秒3のペースで進むと、3~4コーナーにかけて後方待機のドリームジャーニーが大外から押し上げると、馬群が一気に凝縮した。

 そして迎えた直線。後方から猛追するドリームジャーニーを尻目に、終始好位でレースを進めていたテイエムアンコールが、馬場の真ん中から力強く伸びる。残り150mを切ったあたりで競り合いを制し、先頭に立つと、最後は外から迫るドリームジャーニーらの追撃を振り切って1着でゴール。

 1分59秒5の好タイムで、同期の大本命を破り、6歳にして悲願の重賞初制覇を果たした。

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