HOME » セレクト » 福永厩舎で注目の「明け3歳馬」(2) 金子×武豊×福永――。名牝の弟はクラシック有力候補に躍り出るか

福永厩舎で注目の「明け3歳馬」(2) 金子×武豊×福永――。名牝の弟はクラシック有力候補に躍り出るか

text by 中西友馬

間もなく開業から1年が経つ、福永祐一調教師。昨年は17勝を挙げ、CBC賞のドロップオブライトとデイリー杯2歳Sのランフォーヴァウで重賞も2勝。今年はG1初制覇への期待がかかる1年となる。本格的なクラシック参戦初年度となる福永厩舎には、明け3歳となった素質馬がズラリ。今回はその中から、5頭をピックアップして紹介する。二頭目はネブラディスク。

Nebra Disk
ネブラディスク

ネブラディスク

父:ドゥラメンテ
母:リリサイド
母父:American Post
性別:牡馬
生年月日:2022年3月22日
馬主:金子真人ホールディングス(株)
戦績1戦1勝 [1-0-0-0]
主な戦績:2歳新馬

 マイル路線において、武豊騎手の相棒候補がアスクセクシーモアであるならば、クラシック路線においての武豊騎手の相棒候補となってくるのがネブラディスク。アスクセクシーモアと同じく2023年のセレクトセールに上場されたこの馬は、1億7600万円(税込)で金子真人HDが落札。これは当日の1歳馬部門で16位タイとなる金額で、3億円超の後で感覚がおかしくなっているかもしれないが、言うまでもなく高額馬である。

 父はラストクロップとなる2冠馬ドゥラメンテで、母はフランスの芝で3勝を挙げたリリサイド。姉に国内外でG1・4勝を挙げたリスグラシューがいる良血馬だ。福永祐一厩舎へと入厩が決まり、デビュー戦は、11月の京都芝2000m。東京でジャパンCが行われる日の裏開催ということで、鞍上は岩田望来騎手が抜擢された。

 レースでは好位の外めを追走すると、4角で外に飛び気味ながらも馬なりで先行集団へと並びかける。直線ではアッサリと抜け出し、後続に3馬身の差をつける完勝。鞍上の岩田望来騎手は、この勝利で通算500勝のメモリアルVともなった。父ドゥラメンテ譲りの気性の強さを見せながらも、評判馬の揃った新馬戦を勝ち切ってみせたネブラディスク。まだまだ粗削りな部分があるからこそ、伸びしろもあるというもの。

 気になる次走は、出世レースの共同通信杯を予定。鞍上は、ジャパンCのドウデュースへの騎乗により、新馬戦には乗ることのできなかった武豊騎手と発表になっている。金子オーナー×武豊騎手といえばディープインパクトの印象が強く、金子オーナー×福永騎手といえばワグネリアンが思い起こされる。となると、目指すはダービーのみ。共同通信杯の結果しだいでは、クラシックの有力候補に名乗りを挙げることとなるだろう。

【了】

(文●中西友馬

【関連記事】
いきなりクラシックホースを輩出するかも? 福永厩舎で注目の「明け3歳馬」(1)
いきなりクラシックホースを輩出するかも? 福永厩舎で注目の「明け3歳馬」(3)
いきなりクラシックホースを輩出するかも? 福永厩舎で注目の「明け3歳馬」 全紹介