矢作厩舎で注目の「明け3歳馬」(4) 母はラヴズオンリーミー! 晩成傾向のある名牝候補
開催最終日となる12月28日までもつれこんだ、2024年のJRA調教師リーディング争い。この争いを最終的に2着数の差で制し、2年ぶり5度目のJRAリーディングを獲得したのが、矢作芳人調教師。そんな矢作厩舎には、フォーエバーヤングやシンエンペラーなどの現エース級はもちろん、次世代のエース候補となる馬たちも多数在籍している。今回はその中から、今年の活躍が期待される明け3歳馬を、5頭ピックアップして紹介する。四頭目はアクチノータス。
④アクチノータス
性別:牝馬
生年月日:2022年3月3日
馬主:(有)サンデーレーシング
毛色:鹿毛
馬名の由来:フランネルフラワー等の属名。花言葉「いつも愛して」
ここからは、未出走馬の中から素質を秘めた馬をチョイス。まずは、父サトノダイヤモンド、母ラヴズオンリーミーの牝馬、アクチノータス。父サトノダイヤモンドは、2016年の菊花賞と有馬記念を制したG1・2勝馬。これまでに産駒は重賞を3つ制しており、アクチノータスは3世代目にあたる。そして母のラヴズオンリーミーは、名前から分かる通り、海外G1・3勝を含むG1・4勝を挙げたラヴズオンリーユーの母である。さらには、2016年のドバイターフを制したリアルスティールの母でもあり、G1馬を2頭も輩出している。
アクチノータスは、母ラヴズオンリーミーが16歳の時に産まれた仔であるため、たしかに少し高齢ではあるが、それでも超のつく良血馬であることに変わりはない。じっくりと成長を促したぶん時間はかかったが、年明けに帰厩して本格的な調教をスタート。2月のデビューを目標に、調整が進められている。
半姉のラヴズオンリーユーが海外G1を3勝したのは5歳時であったし、半兄のリアルスティールもG1タイトルを手に入れたのは古馬になってからと、晩成傾向にある血筋。年明けデビューとなったが、焦る必要はなさそう。まだレースに使っていない段階で話すことではないかもしれないが、2月デビューであるからして、目標は姉と同じく桜花賞よりオークスとなるだろう。
もしオークスに間に合わなかったとしても、G1馬以外も比較的堅実に勝ち上がっている血統であるため、名前を覚えておいて損はないはずだ。
(※執筆後にアクチノータスは、2月2日に京都で行われた3歳新馬に出走。1番人気と支持を集めたが3着となった)
【了】
(文●中西友馬)
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