福永厩舎で注目の「明け3歳馬」(1) デビュー戦は惨敗も……2戦目に逆襲を果たした“3億円ホース”
間もなく開業から1年が経つ、福永祐一調教師。昨年は17勝を挙げ、CBC賞のドロップオブライトとデイリー杯2歳Sのランフォーヴァウで重賞も2勝。今年はG1初制覇への期待がかかる1年となる。本格的なクラシック参戦初年度となる福永厩舎には、明け3歳となった素質馬がズラリ。今回はその中から、5頭をピックアップして紹介する。一頭目はアスクセクシーモア。
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アスクセクシーモア
父:キタサンブラック
母:アイムオールレディセクシー
母父:Ready’s Image
性別:牡馬
生年月日:2022年2月10日
馬主:廣崎利洋HD(株)
戦績:2戦1勝 [1-0-0-1]
主な戦績:3歳未勝利
最初に取り上げるのは、アスクセクシーモアだ。2023年のセレクトセールで3億1900万円(税込)という価格で落札された超高額馬。これはこの年のセレクトセール1歳馬部門で4番目となる。「アスク」の冠名でお馴染みの廣崎利洋HDが落札し、開業初年度となる福永祐一厩舎に預けられた。
父は活躍馬を数多く輩出しているキタサンブラック、母はアメリカの芝で重賞3勝の実績を残したアイムオールレディセクシーという血統のこの馬は、アスクセクシーモアと名付けられてデビューした。デビュー戦は、11月の京都芝1600m。3億1900万円という高額取引馬であることに加えて、鞍上は武豊騎手。さらに直前の追い切りではOP馬に先着していたことから注目を集め、単勝1.5倍という断然の1番人気に推されていた。
レースでも、好位の外めを抜群の手ごたえで進んでいたが、直線に入ると鞍上のアクションに応えることなくズルズルと後退。異変を察知した武豊騎手は、直線半ばからは追うことなく14着のシンガリ負け。レース後には、レース中に心房細動を発症していたことが発覚し、一度立て直すこととなる。
2戦目は、年が明けた1月の中京芝1600m。再び武豊騎手を背に仕切り直しの一戦に挑んだアスクセクシーモアは、好発から好位の後ろに控えると、直線で鮮やかに抜け出して快勝。アスクセクシーモアにとって2戦目で挙げた初勝利は、福永師×武豊騎手のタッグ初勝利でもあった。とはいえ、この馬にとってはまだ初勝利を挙げたばかり。気になる次走は、チャーチルダウンズC(旧アーリントンC)or毎日杯を予定しているとのこと。いきなりの重賞挑戦で結果を残せるようなら、さらに未来が広がっていく。
【了】
(文●中西友馬)
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