ディープインパクト産駒獲得賞金ランキング【7位】長距離戦で真価を発揮した遅咲きのステイヤー
産駒の通算GⅠ勝利72勝。歴代1位の成績を誇るディープインパクトは、種牡馬としても競馬界を席巻し続けた。そんな産駒の中で最も多くの賞金を稼いだのはどの馬なのか? 今回は、ディープインパクト産駒の獲得賞金ランキングトップ10を振り返る。今回は第7位。
7位 フィエールマン(7億926万円)
性別:牡馬
戦績:12戦5勝 [5-3-2-2]
主な勝ち鞍:菊花賞、天皇賞(春)
テイヤーとして活躍したフィエールマンは、比較的成長が早いディープインパクト産駒の中では成長が遅く、デビューは3歳の1月まで遅れた。同期のディープインパクト産駒には、2歳でGⅠを勝ったダノンプレミアムや日本ダービー馬ワグネリアンなど、早くから活躍する馬たちがいたが、フィエールマンは馬体が出来上がるまでに時間を要した。
そんな同期のGⅠ馬が休養する中、フィエールマンは3歳の7月に重賞を初制覇し、賞金を加算。3か月半の間隔を挟み、ぶっつけ本番でクラシック最終戦の菊花賞に出走した。単勝7番人気の伏兵として挑んだこのレースでは、好スタートを切り、道中は中団前めを追走。直線では馬群を割って抜け出し、早めに先頭に立ったエタリオウとの叩き合いをハナ差で制してGI初制覇を飾った。キャリアわずか4戦での菊花賞制覇は史上最少であり、この勝利で約1.4億円を獲得した。
持ち味の持久力を存分に発揮するべく、次に選んだ大舞台は翌年の天皇賞(春)。道中は中団の好位から追走し、2周目の3コーナー手前から徐々に前へ進出。直線では同時に抜け出したグローリーヴェイズとの追い比べを制してGI2勝目を飾った。さらに翌年の天皇賞(春)も制し、天皇賞(春)だけで約3億円を獲得。連覇は史上5頭目の快挙であった。
GⅠは3000mを超えるレースでの3勝のみだったが、中距離GⅠでも堅実に掲示板に入る走りを見せた。引退までの12戦で7億円以上の賞金を獲得し、その堅実さと強さを印象付けた。
【了】
(文●目白明)
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