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“日本近代競馬の結晶”の正統後継者は?(2) 牝馬はG1級も牡馬は……スピード豊かな個性派を輩出

text by 中西友馬

デビューから7戦7勝でクラシック3冠を制覇。国内での敗戦は1度のみでG1・7勝を挙げるなど、数々の偉業を成し遂げたディープインパクト。加速力が桁違いの走りは鞍上の武豊をもってして、「飛ぶ」と表現され、「日本近代競馬の結晶」とも称された。そんなディープインパクトは、種牡馬としても数多くの活躍馬を輩出した。今回は、その中から“衝撃”の継承者候補である5頭を紹介する。二頭目はミッキーアイル。

MikkiIsle
ミッキーアイル

ミッキーアイル

主な産駒(牡馬):ウィリアムバローズ(東海S)、デュアリスト(兵庫ジュニアGP)

 キズナがダービーを制した約3ヶ月後となる、2013年の9月。デビューを果たしたのがミッキーアイルであった。

 ハナを切れなかったデビュー戦こそ、朝日杯FSで1番人気に推された素質馬アトムに敗れて2着となるも、2戦目の未勝利戦から連勝街道をひた走り、マイル戦をいずれも逃げ切り勝ちで5連勝。一気にNHKマイルCまで制し、G1初制覇を飾った。

 その後、3歳時の安田記念とマイルCSでは大敗を喫してしまい、古馬になってから初挑戦となったスプリント戦では、好位からの競馬も習得。逃げる競馬でなくても結果を残したが、4度挑戦したスプリントG1では、③④②②着とあと一歩勝利には届かなかった。

 そして迎えた5歳時のマイルCS。約1年半ぶりとなるマイル戦で、外枠からでも果敢にハナを切ると、最後の直線で驚異の粘り腰を発揮。2着馬イスラボニータの追撃を振り切り、G1・2勝目を挙げる。しかし、ラチ沿いを逃げていたミッキーアイルは最後の直線で外へと斜行し、4頭の進路を狭くしてしまったことにより、鞍上の浜中騎手は開催日8日間の騎乗停止処分となった。後味の悪い結果とはなってしまったが、その後の阪神カップを最後に現役を引退。翌年からは種牡馬としての生活をスタートさせた。

 産駒の特徴としては、自身同様にスピード豊かな仔が多いというのも挙げられるが、それ以上に顕著なのが、牝馬の活躍馬が多いこと。2025年1月現在で、産駒が挙げた中央の重賞13勝のうち、実に12勝が牝馬によるものである。特にメイケイエールとナムラクレアの2頭で荒稼ぎしている面が大きく、今後は、現役のナムラクレアやウィリアムバローズによるG1タイトル獲得と、新たな牡馬の活躍馬輩出に期待がかかる。

【了】

(文●中西友馬

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