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「国内で唯一ディープを破った」ハーツクライの後継馬は?(4) 176頭の種付け頭数を集めた良血馬

text by 中西友馬

ハーツクライ。国内で唯一ディープインパクトに土をつけた歴史に残る名馬である。2023年3月に天国へと旅立ったが、2021年に種牡馬を引退するまで、数多くの名馬を送り出してきた。今回は、その中からピックアップした後継馬候補を5頭紹介する。四頭目はサリオス。

Salios
サリオス

サリオス

※2026年に産駒デビュー予定

 スワーヴリチャードがジャパンCを勝利する約半年前となる、2019年の6月。東京開幕週の新馬戦を勝利したのがサリオスであった。その後、サウジアラビアRCと朝日杯FSも連勝。デビューから無敗の3連勝で2歳王者に輝いたものの、JRA賞最優秀2歳牡馬には選出されず。選出されたのは、同じく3戦無敗でホープフルSを制したコントレイルであった。

 そして、そのコントレイルと初対戦となったのが皐月賞。両者ともに暮れのG1からぶっつけで挑んだ一戦で、そつなくレースを運んだサリオスであったが、コントレイルに半馬身及ばずの2着。デビューからの連勝は3でストップした。続くダービーでもコントレイルに敗れたサリオスは、秋の目標をデビューから3連勝した芝1600mで行われるマイルCSに設定。始動戦の毎日王冠では古馬相手に3馬身差の完勝を果たすも、マイルCSでは5着に敗れ、マイルでの初黒星を喫することとなる。

 その後は1200mから2000mまでさまざまな距離を試すも勝利は遠く、5歳になって迎えた毎日王冠。早熟で終わった馬という意見もあったが、2年間勝利のないサリオスをファンは1番人気に支持していた。そしてサリオスはその人気に見事応え、2年ぶりの勝利。さらには走破タイムの1分44秒1は、東京芝1800mのコースレコードであった。

 その年の年末で現役を引退した後は、種牡馬としての生活がスタート。初年度から176頭の種付け頭数が集まった。自身同様に、早い時期からの活躍が期待できるサリオスの初年度産駒は、順調ならば2026年にデビューを迎える。

【了】

(文●中西友馬

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