実はサッカー関連の馬名(2) フランスW杯決勝前日に重賞初勝利!“不屈の闘志”を持つ名馬とは?

競馬界には、サッカー用語や名選手の愛称に由来するユニークな馬名が数多く存在する。中にはG1タイトルを手にした名馬や、ファンの記憶に深く刻まれた個性派も少なくない。今回は、そんな“サッカー関連馬名”を持つ競走馬の中から、特に印象的な活躍を見せた5頭を紹介する。[2/5ページ]
②オフサイドトラップ
父:トニービン
母:トウコウキャロル
母父:ホスピタリテイ
性別:牡馬
生年月日:1991年4月21日
調教師:加藤修甫(美浦)
馬主:渡邊隆
戦績:28戦7勝 [7-8-5-8]
主な勝ち鞍:天皇賞・秋(GⅠ)
サッカーボーイのラストランから6年が経った、1993年の年末。このタイミングでデビューを果たしたのが、相手チームをオフサイドポジションに誘い込む戦術から名前のついた、オフサイドトラップであった。
ちなみに、この馬と同じ加藤修甫厩舎に入厩したオフサイドトラップの弟たちは、「ワールドカップ」や「プレミアリーグ」、「フラットスリー」など、サッカーにちなんだ名前が多くつけられている。
3戦目のダート戦で初勝利を挙げたオフサイドトラップは、そこから3連勝で若葉Sを勝利。しかし、G1挑戦となった皐月賞とダービーではともにナリタブライアンの7着と8着に敗れる。
さらに、デビュー前から脚元に不安を抱えていたオフサイドトラップは、屈腱炎による休養を挟みながらローテーションを組まざるを得ない状況となってしまう。
脚元の関係から、一戦一戦が勝負という状況でレースを使っていたオフサイドトラップは、8歳(現7歳)にしてついに、七夕賞で悲願の重賞初制覇を飾る。日本が初出場した、フランスW杯決勝前日に行われた七夕賞での勝利は、オフサイドトラップにとって実に3年5ヶ月ぶりの勝利でもあった。
そして続く新潟記念で重賞連勝を飾って挑んだのが、1998年の天皇賞(秋)。ここでの細かい説明は省くが、競馬ファンなら誰もが知っていると言っても過言ではない、「沈黙の日曜日」。悲劇が起きたあのレースで勝利を収めたのが、このオフサイドトラップであった。
この勝利は、自身のG1初制覇であっただけでなく、史上初となる8歳(現7歳)での天皇賞制覇でもあった。
デビュー前から屈腱炎と戦い、何度も休養を挟みながらもカムバックしてやっと掴んだ栄光。それは不屈の闘志を持ったオフサイドトラップと、諦めずにケアをし続けた陣営の努力の賜物であった。
【了】
(文●中西友馬)
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