あらゆる要素が影響?有馬記念・馬券売上の上昇率ランキング【第2位】売上400億円超!売上続伸の要因とは?

年末の風物詩として広く知られ、競馬ファンはもちろん、競馬に馴染みのない人まで多く参戦する一大イベント・有馬記念。
毎年ドラマの生まれる冬のグランプリだが、果たして馬券売上はどのような推移を辿ってきたのだろうか。
今回は2000年以降の有馬記念で、売上の上昇率・下降率が大きかった3年ずつを取り上げ紹介する。今回は上昇率第2位。
【上昇率 第2位】2016年
前年比 +7.9%(449億257万2000円)
G1勝ち馬は5頭と平均的な出走であったが、出走16頭中14頭が重賞ウィナーというメンバーで行われた2016年の有馬記念。
さらに構図的にも、同年の天皇賞(春)とジャパンカップを制した古馬の王者キタサンブラックに、前走で菊花賞を制した3歳世代の有力馬サトノダイヤモンドと、前年の有馬記念覇者であるゴールドアクターが激突するという「3強対決」の下馬評が出来上がっていたことも注目度を高める一つの要因となっていただろう。
その証拠に、レースの売上は約449億円で前年比7.9%の上昇だった。
もちろん、彼ら以外にも二冠牝馬ミッキークイーンや、前年の宝塚記念でキタサンブラックとドゥラメンテを負かしたマリアライトなども出走しており、決して一筋縄ではいかないメンバーではあった。
だが、下馬評的には「3強」の争いという見方が強く、馬券的にもこの3頭の組み合わせが多く売れていた。
レースはマルターズアポジーが先手を取って後続を離して行ったが、離れた2番手集団の先頭にいたのがキタサンブラック。その後ろにゴールドアクターとサトノダイヤモンドが構え、「3強」で先行馬群を形成するような形となった。
そして直線に向くとマルターズアポジーをキタサンブラックが交わし、後ろ2頭を突き放しにかかる。
一旦は完全にセーフティーリードを取ったかに見えたが、坂を上り切ったところでサトノダイヤモンドが再加速。最後の最後に先頭は入れ替わり、サトノダイヤモンドがG1・2勝目となるゴールを先頭で駆け抜けた。
3着にゴールドアクターが入ったことで、下馬評通り「3強」での決着となった。
だが、入線は単勝人気の順番どおりだったのにもかかわらず、3連単は3番目の人気だった。「少しでも儲けたい」という、人間の心理が現れた面白い結果ではないだろうか。
【了】
【著者プロフィール:小早川涼風】
祖父、父の影響で幼い頃から競馬に触れ、社会人後ライターに。地方、中央を問わない競馬漬けの日々を送る。初めて好きになった馬はサイレンススズカ。思い出の馬はファストフォース。
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