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若きダート王が爆誕!3歳馬が制覇したチャンピオンズカップ 5選(1)誰が勝てるの?ハンパじゃない衝撃

text by 中西友馬

JRAで行われるダートG1は年間2つしか行われないこともあり、注目度の高いチャンピオンズカップ。特に今年の第1回特別登録では3歳馬が2頭登録しており、古馬勢との力関係も気になる。そこで今回は、チャンピオンズカップ(ジャパンカップダート時代も含む)で3歳馬が優勝した瞬間をプレイバック。5つのレースを順に紹介する。今回は1頭目。

①2001年 クロフネ

2001年JCダートを制した時のクロフネ
2001年JCダートを制した時のクロフネ

 最初に紹介するのは、2001年のジャパンカップダート。この年の前年に創設されたジャパンカップダートだが、その2000年は6歳(現5歳)馬のウイングアローが勝利し、映えある初代王者に輝いた。

 そして馬齢表記が変更となった2001年に、初めて3歳馬が勝利することとなる。その馬は、まだダート2戦目のクロフネであった。

 クロフネは、デビューから8戦は芝を使われ、NHKマイルカップでG1制覇。ダービーでも5着となるなど、世代トップクラスの実力を誇っていた。

 しかし外国産馬であったため、当時は出走できるレースや出走頭数に制限があり、目標としていた天皇賞(秋)への出走は叶わず方向転換を余儀なくされた。

 そんな中、天皇賞(秋)前日の武蔵野Sに出走すると、初ダートながらレコードタイムで9馬身差の圧勝劇。まさに怪我の功名で、ダート適性の高さを示す形となる。

 そして出走したのが、ジャパンカップダート。前年覇者のウイングアローやダートの本場アメリカから実績馬リドパレスも出走していたが、クロフネは単勝1.7倍と断然の1番人気。人気順はリドパレス、ウイングアローと続き、発走を迎えた。

 レースは、ディグフォーイットやジェネラルロッシという外国勢が前を引っ張る展開。リドパレスは中団から進め、クロフネとウイングアローはともに後方からの競馬となっていた。

 しかしクロフネが後方にいたのはレース序盤だけで、向正面ではスピードの違いでスルスルと上がっていき、3角では先行集団の外まで浮上。さらには馬なりのまま先頭へと躍り出て、4角を回って最後の直線へと向かう。

 直線に入ってからは、まさにクロフネの独壇場。後続をグングンと突き離していく。先行勢で唯一抵抗したノボトゥルーも最後は苦しくなり、追い込んできたウイングアローとミラクルオペラで2番手争いをしているが、クロフネははるか先。

 結局、2着争いを制した前年覇者ウイングアローに7馬身差をつける圧勝劇。ウイングアローも前年より0秒2速い時計で走っているが、クロフネはその1秒1も前を走っており、もちろんレコードタイムであった。

 その後は屈腱炎を発症し、このジャパンカップダートを最後に現役を引退。翌年予定していた海外遠征で、世界を相手にどこまでやれたのかは、誰にも分からない。本当に、もっとその走りを見ていたかった名馬であった。

【了】
(文●中西友馬)

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