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競馬に絶対は存在しない…G1単勝高配当ランキング(第6位)一世一代の大激走!メジロマックイーンで一年を締めくくるはずが…

text by 小早川涼風

競馬の魅力のひとつは、どんなにデータを積み上げても「絶対」が存在しないこと。人気馬が順当に勝つこともあれば、ノーマークだった大穴が激走することもある。そんな競馬の神様のいたずらがあるからこそ、多くのファンが魅了されるのだろう。今回は、数あるG1レースの中から「単勝高配当ランキングTOP10」を振り返る。今回は第6位。

第6位 1991年有馬記念

ダイユウサク(単勝137.9倍)

1991年有馬記念を制した時のダイユウサク
1991年有馬記念を制した時のダイユウサク

 1991年の秋競馬はどこか波乱の空気に満ちていた。菊花賞は三冠当確と見られたトウカイテイオーが故障で回避し、天皇賞(秋)はメジロマックイーンがG1史上初となる1位入線後の降着。

 スプリンターズステークスも1番人気のケイエスミラクルが直線で競走中止と、戦前の評価通りに決まることが少なかった。

 そしてその雰囲気が最後に爆発したのが、1年の総決算である有馬記念だった。

 この有馬記念でダントツの1番人気に推されていたのはメジロマックイーン。天皇賞(秋)では悪夢の降着も経験したが、次走に出走したジャパンカップでは日本馬最先着の4着。

 悪い流れを今度こそ断ち切ってくれるという願いを抱いた人は少なくなかったはずだ。

 レースは逃亡者ツインターボがいつも通りハナを叩き、それに続いたのがプレクラスニー、ダイタクヘリオス、オサイチジョージといったスピード自慢の馬。

 メジロマックイーンは彼らを中団から見て、虎視眈々と進出の瞬間をうかがう。

 勝負所で武豊騎手からGOサインが出るとグンとスピードを上げ、直線では抜け出していたプレクラスニーを射程圏内に。いつも通りの強さをここから見せてくれるように思えた。

 しかしこの時は、内からそれ以上の勢いで突っ込んできた馬がいた。それは熊沢騎手騎乗の単勝14番人気・ダイユウサクだった。メジロマックイーンは瞬く間に交わされ2着。

 上り3ハロン最速の35秒3の末脚を繰り出したダイユウサクの走りは、とても単勝100倍以上の伏兵には見えなかった。

 マックイーンに乗っていた武騎手が「(この年のジャパンカップを勝った)ゴールデンフェザント級の脚だった」とのちにコメントしていたように、世界の一流馬にも匹敵するような末脚でこの年の大一番を締めくくってみせたのだった。

【了】
(文●小早川涼風)

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