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白毛馬を語るならこの血統!華麗なるシラユキヒメ一族(5)今後の夢がふくらむ…次世代のアイドルホース

text by 小早川涼風

2025年8月時点で、日本競馬のサラブレッドには46頭の白毛馬が登録されている。そのうち半数以上を占めるのが、「シラユキヒメ一族」である。一族のG1級勝利は5勝と大活躍で、白毛馬以外でもメイケイエールやママコチャなどの重賞馬も輩出している。今回は、そんなシラユキヒメ一族から5頭を取り上げて順に紹介する。今回は5頭目。

2025年7月12日新馬戦を勝利したマルガ
2025年7月12日新馬戦を勝利したマルガ

⑤マルガ

 ブチコの5番仔として誕生したのが白毛のマルガ。デビュー前からソダシ、ママコチャの半妹として注目を集めていた彼女だったが、デビュー戦の走りは我々競馬ファンの度肝を抜くには十分すぎるものだった。

 姉のソダシと同じく函館芝1800mでデビューの時を迎えたマルガ。当日のパドックではシャッター音が鳴り響き、白毛の彼女を収めようとするファンの姿がかなり多かった。

 だが、マルガはそんな観衆の姿に驚くこともなく、落ち着いて周回しているように見える動き。その風格は、新馬戦の中では抜きんでているようにも思えた。

 レースでは好スタートから先頭を取ると、向こう正面で加速。勝負所で捲ってきたサントルドパリが4コーナーで並びかけるが、手応えには明らかな差があった。

 そして200mの手前で武豊騎手の左鞭が一発入ると、マルガは溜めていた末脚を一気に開放。瞬く間にサントルドパリを突き放して、1分48秒1の2歳レコードで圧勝劇を飾ってみせた。

 2025年8月時点では1戦1勝と、まだまだ未知なる可能性に溢れているマルガ。父のモーリスはジェラルディーナやジャックドールなど、早い時期から活躍しつつも3歳秋から4歳にかけてもうひとつ成長をする産駒が多い。

 現時点でこれだけ仕上がっているマルガがこのパターンに当てはまるのなら、クラシックが終わるころには姉以上の飛躍を遂げている可能性も十分にありそうだ。新たな白毛物語の始まりに向けて、彼女の動向からは目が離せない。

【了】

(文●小早川涼風)

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