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白毛馬を語るならこの血統!華麗なるシラユキヒメ一族(3)神は二物を与えた!ザ・アイドルホース

text by 小早川涼風

2025年8月時点で、日本競馬のサラブレッドには46頭の白毛馬が登録されている。そのうち半数以上を占めるのが、「シラユキヒメ一族」である。一族のG1級勝利は5勝と大活躍で、白毛馬以外でもメイケイエールやママコチャなどの重賞馬も輩出している。今回は、そんなシラユキヒメ一族から5頭を取り上げて順に紹介する。今回は3頭目。

2021年桜花賞を制したソダシ
2021年桜花賞を制したソダシ

③ソダシ

 白毛も真っ白な馬だけではなく、親からの遺伝で黒や茶のブチ模様がある白毛馬もいる。白黒ブチの白毛馬としてファンからの注目を浴びたブチコは、高い潜在能力を持ちながらゲート難で競走馬としての道を諦め、2017年に引退。その翌年、彼女の初仔としてこの世に生を受けたのが、ソダシだった。

 ソダシはデビューから3連勝。白毛馬で初めて芝の新馬戦を勝ち、2戦目には当時の札幌芝1800mのコースレコード樹立し、重賞初制覇を飾った。3戦目は東京競馬場で、自身初の有観客でのレースを勝利するなど、すでにファンへ十分すぎるほどのインパクトを与えていた。

 迎えた年末の阪神ジュベナイルフィリーズでは、母ブチコを想起させるようなゲート入りを見せて少し時間がかかったものの、直線では怒涛の勢いで突っ込んできたサトノレイナスとユーバーレーベンを僅かに抑えてゴール。史上初めて、白毛馬によるG1優勝の大記録が樹立された。

 そしてソダシは2歳G1から直行した桜花賞でも、並みいるライバルたちを退けて優勝。無敗での桜花賞制覇は史上8頭目の偉業で、白毛馬によるクラシック制覇はもちろん初。

 「穢れなき桜の女王が誕生」というフレーズと共に、ソダシは純白の女王となった。

 その後も札幌記念ではブラストワンピースやラヴズオンリーユーといった先輩G1馬を下して1着となり、4歳のヴィクトリアマイルでは出走馬18頭中G1馬が5頭、重賞馬が16頭という、史上最高レベルのメンバーが揃った1戦を制した。

 桜花賞以降はG1では勝ち切れず、人気先行という声も少なくなかった当時の評価を、一気に覆す結果となった。

 これが生涯最後の勝利となったが、通算成績は16戦7勝、うちG1・3勝に重賞6勝。白毛のスターホース・ソダシの軌跡はこれからも多くの人に語り継がれていくだろう。

【了】

(文●小早川涼風)

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